君のこれからを案じて。 ページ2
五条は語る。
自分達の持つ“特別な力”の正体、“呪力”について。不可視型敵の正体、“呪力”の産物である“呪霊”について。呪術師について。それから呪詛師について。
その中で五条達が頑なにその力について話さなかった理由も判明する。それは呪いという概念を認識することで人々の負の感情が増幅し、その結果呪いもまた増える…といった本末転倒の事態を防ぐためであった。
マァ、結局その努力は無駄だったのだが。そう、五条達は何年もこの世界の人間を見てきた事で確信に至ったのだ。
“前の世界の人間と違って、この世界の人間は皆一切の呪力を持たない”ということに。
「待て。ならば、この世界に呪霊が発生するのはおかしくないか？」
矛盾に気づいた公安は五条に問い質す。
その指摘をうけた五条は、気に食わないツギハギ男の顔が脳裏によぎったためか、目をスっと細めた。
「そう、おかしいんだよ。明らかに矛盾してるんだよ。でもこれが現実。そしてこの矛盾を生んでいる最悪の奴がいる。それが今回敵連合と接触した呪霊側の男───羂索だ。羂索ってのは、僕達の因縁の相手で最悪の呪詛師」
「！？何だ、其奴は。一体何が目的で…？」
「あー、羂索について話すにはちょっと僕たちの世界のことも話さなきゃだな───」
そこで五条はその矛盾を生んだ羂索や、自分たちの前世での出来事、そしてAと羂索の間に生じた呪いの因果について話した。もちろんそこには夏油の話も自ずと入ってくる。
五条は基本的に全てを包み隠さず素直に話した。ただ1つ、Aが呪詛師として犯した罪を除いて、だが。
Aもその五条の気遣いには気づいた上であえて無視をしている。
「せっかく向こうは話を聞く気になっているのに、目の前にいる女が前世で一般人を殺しまくったと知れば、一気に警戒心と不信感を強めるに違いない。そう考えれば先生の判断は妥当だ」とAは考えたのだ。
しかしその考えは的外れだ。
だって五条の方は正直公安側の心象なんぞ微塵も考えていないのだから。彼はただAの今と未来を案じていた。
(羂索を始末して前世での事が完全に精算出来た時には、もう過去なんて全て忘れて、この世界で何の縛りもなく自由に幸せに生きて欲しい。罪なんて前世に捨ておいて、これからを真っ直ぐに生きて欲しい。だって僕も傑も知っているから。悲惨な過去のせいで性格が歪んでしまったけど、君が本当は誰よりも仲間思いで優しい子だということを。)
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ハノン(プロフ) - 八百万さんの優しさがしみました、、、😭更新ありがとうございます。 (4月6日 15時) (
レス) @page15 id: b1aa25fb33 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！前編から読ませていただいておりました！これからも楽しく読ませていただきます！ (7月12日 20時) (レス) @page6 id: f500b808b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2023年7月12日 20時
