カントクの妹は青学の高嶺の花でした【2】 (ページ3)

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王の花、3本ページ3

【跡部Side】

日吉「…そうですね、練習中にもあの鬱陶しい顔がちらついてむしゃくしゃしてたんで」

滝「なるほどねー」

宍戸「……そいつ、ぶん殴っておとなしくさせればいいんじゃね？」

日吉「そうしてやりたいのは山々ですが、それで道場の評判が落ちるのは困ります」

忌々しくて仕方ない、と言わんばかりに顔をしかめる日吉

だが、俺様が何か言う前に

日吉「今のところ実害はそこまで出てないんで大丈夫ですよ」

と言った

跡部「おい日吉、そういう問題じゃねえ。しかもお前、既に部活に集中できてねえぞ」

鳳「そうだよ日吉、愚痴くらいいくらでも聞くよ？」

宍戸「あんま溜め込むじゃねーぞ？俺らに出来ることなら協力してやっからさ」

向日「クソクソ宍戸！“俺ら”って仲間数に入れてんじゃねーよ！」

滝「じゃあ向日は、何もしてあげないの？あっ、俺も愚痴聞くくらいならいいよ」

日吉「……ありがとうございます。宍戸先輩、滝先輩、あと鳳」

おい、なんで俺様の名前がねぇんだ

忍足「跡部、お前までそんな不満そうな顔すんなや……こっちは岳人のお守りだけで手一杯やねん…」

跡部「アーン？俺様を向日と一緒にするな馬鹿」

忍足「関西人にバカ言うなや、せめてアホにしぃ」

向日「クソクソ跡部っ！！」

芥川「ふああ～……あれ？みんなどーしたの～？」

滝「おはよう、ジロー」

向日「……ジロー、お前いつから寝てたんだよ…」

芥川「A～…わかんな～い」

突然起きたジローに勢いが削がれたらしい向日は、深い溜息を吐いて気を取り直したように携帯を弄り出した

今まで寝ていたジローもまだ眠いのかしきりに目を擦り、それを滝がやんわりと止めている

忍足は漸く収集がついたことにほっと息をつき、着替えを再開

既に着替え終わっていた宍戸は、同じく制服に身を包んだ日吉と鳳の会話に興じていた

宍戸「日吉、本当に困ったことになったらすぐ相談しろよ？」

鳳「そうだよ！あっ、そうだ、ちょっと待ってね…」

ごそごそとカバンの中を探り出した鳳を尻目に、今日の活動内容と今後の課題を部誌に書く

……取り敢えず向日と日吉は体力UPのメニューを入れて、ついでに地区大会のオーダーも出しとくか

鳳「あった！これ、俺の好きな歌い手さんの曲なんだ。よかったら聴いてみて、たぶん気に入ると思うよ」

日吉「……そうか」

宍戸「へー、そんなに好きなのか？」

鳳「はい！【アイ】さんは俺の憧れです！」