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｢っ、大ちゃ、｣

｢あー、やべ、やっぱお前はそそるね｣

また今夜も短い夢を選ぶ。

少しでも大ちゃんが俺を見てくれるこの時間を
どんなことよりも優先してしまう。

雄也みたいに優しくないし
泣いて嗚咽が止むまで傍にはいてくれない
でも、大ちゃんと少しでも特別になれるなら


｢気持ち、っ、やぁ、おっき、｣

｢はは、やべ、山田…最高、｣


涙をうんと深くに沈めて
貴方好みの俺になるから


どうか、ねぇ

｢知念より気持ちいい？｣

｢…当たり前だろ、だからお前を手放せない、｣

優しい嘘を俺に頂戴。

アイツより俺の方が、ってもっと
もっと沢山囁いて？



＿＿＿＿＿＿＿＿



｢腰だるくないか？｣

｢大丈夫、ｹﾎ｣

｢あー、声えろ｣

｢誰のせいで、っ、｣

反抗しようとした唇は安易に塞がられて
舌を絡められ落ち着いた心拍をまた乱す。

2人を繋げる銀の糸がまた俺の事を切なくして
このどうしようもない恋の深みにはめてくる。

｢大ちゃん、もう1回っ、｣

切なさからよそ見をするように、またキスをねだる

それに応える大ちゃんも大ちゃんだと
悪態をつきながら

｢ふぁあ…寝み…｣

｢泊まる？｣

｢…今日は特別、な。｣

適当な大ちゃんの言葉に一喜一憂するんだ

明日が来なければいいのに…
そう思いながらその逞しい腕の中に包まれる

このまま2人でいたい と
好きで好きでたまらない と
俺は今日も伝えられない

わかり切ってる報われない恋なら
都合の良いメンバーがいい

その方が大ちゃんのそばに長くいれるでしょ？


もう寝息を立ててる無防備な寝顔に


｢…好きだよ大ちゃん、｣



どうか、今だけは俺だけの大ちゃんで…




＿＿＿＿＿＿＿＿



＊くじら＊

プラトニック/手 越 祐 也

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