検索窓
今日:6 hit、昨日:24 hit、合計:223,340 hit

ページ18

ym視点


破水させても全然降りてきてくんなくて、あれからもう5時間。


でも波の間隔は短いし、痛みは強くなってるみたいだしもう痛いのなんの、って感じらしい。


「…あーきた、無理、………っ」

「はいよ」


伊野尾ちゃんの時に押してあげた時と同じところを拳でぐりぐり押す。
もう押しすぎて指の骨のあたりが赤くなって痛いけど…ひかの痛みに比べたらなんてことない。


機械ってのはすごいもんで、モニターのグラフの針がびゅーんと上がるとひかの顔は歪むし、ひゅーんと下がるとひかはぐったりと横たわる。


「山田さん、いきみきたい感じある?」

「いきみたい、って、なんですか…」

「お通じ出そう、気張りたい、みたいな感じ」

「ないです…そんな元気ないです…」

「うーん、まだかなぁ。
なんかあったらナースコール押してね」


部屋を出ていく助産師さんに会釈を返し、ひかにペットボトルを持っていく。

伊野尾ちゃんがくれた、かわいい黄色のキャップをつけたやつ。


「いのちゃん、すごいよ…これ…」

「な、便利なのなこれ」

「はぁ…いつ産まれてきてくれんの、」


少し会話が出来てたのもこの時くらいまで。


この何時間後から、ひかは陣痛の間に気を失ったように眠って、痛みで起きてを繰り返すようになった。


我慢強いひかがこんなに痛がってるとこ見たことなくて、本当に大丈夫なんだろうかなんて不吉な考えすらよぎる。


「あ"ー!っく、………っ!!!」

「ひか、息して。がんばれ」

「ふぅ、ふぅ、うううう無理…っ」


今までとは比べ物にならない痛がり方が聞こえたのか、助産師さんがすぐやってきて
内診するから、って部屋を出されてすぐ。


「山田さん、奥さんもう産まれるわ。
頭すぐそこまで来てるけど、立ち会いは?
奥さんは旦那さんが決めてって仰ってるけど」

「俺が?」


前に家で話した時は、恥ずかしいし、いつ産まれるかわかんないし立ち会いしなくていい、って言ってた…。


ひかは?俺は…?


「します、立ち会い」


俺はそれを望んでるし、俺に決めさせるってことは、多分ひかもそうだと思うから。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (282 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
459人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう!上手いこと行けばあります!← (2018年11月1日 17時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの?!って喜んでます!☆連打できないのが悲しい(´;ω;`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Shee. | 作成日時:2018年10月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。