ひかるの不安 ページ9
ym視点
大ちゃんと伊野尾ちゃんと別れてから、せっかくの久しぶりの共通の休みだからデートをすることにした。
｢あ、ここ可愛くない？｣
｢ほんとだ、入ろうか｣
ひかの影響で始めた料理は、今やひかから褒めてもらえるほどの腕になっている。
色とりどりの食器がウインドウに並べられた、今流行りのSNS映えでもしそうな店構えに惹かれて足を踏み入れた。
｢この食器、キレイ｣
｢ほんとだね、料理が映えそう｣
｢この小鉢に煮物盛り付けてみ？
それだけで美味そうじゃね？
…あー、ひかの肉じゃが食べたい｣
｢山田だって肉じゃが得意じゃん｣
｢ひかのが食べたいの！｣
｢しゃーねーな、作ってやるよ｣
｢へへ、やった！｣
なんで俺が肉じゃがが好きなのか、ひかは知ってる？
いや、元々好きは好きなんだけど、
まだ調理師になる前、ひかが初めて俺のために作ってくれたメニューが肉じゃがだったから。
今と比べたら荒削りな完成度だったのかもしれないけど、もうほんとに嬉しくて、美味しくて、"俺ひかと結婚する！"って言ったら
"そんなこと簡単に言うなっ"て、顔真っ赤にして怒ってたっけ。
｢…ふふ｣
｢なんだよ気持ちわりぃ｣
｢なんもねーよ。
帰りにスーパー寄って帰ろ？
ひかは？食べたいものある？｣
｢んー…山田のだし巻き玉子｣
｢おっけ｣
結局、ピクルスを漬けるための小さなキャニスターを買って食器屋さんをあとにした。
｢はー、ただいま、っと｣
帰ってすぐに洗面台で手洗い、うがいをするようになったのはひかと住んでからだ。
｢ひか、一緒に作ろー｣
｢ん｣
色違いで買ったお揃いのエプロンをして、並んでキッチンに立つ時間は至福の時だ。
｢こうして料理すんのもなんか久しぶりじゃない？｣
｢普段なかなか時間合わないもんね｣
｢ほんとそれな。あ、ひか菜箸取って｣
｢はいよ｣
カフェレストランでシフト制で働くひかと
スポーツトレーナーとして色んな現場に行く俺と。
帰ってくる時間はそれぞれバラバラで、時間を共有出来るタイミングは少ないから。
｢あ、いてっ｣
｢おい！大丈夫？珍しいじゃん｣
｢ん、大丈夫これくらい｣
｢なに？考え事？｣
｢ふふ、んーん｣
あ、今嘘ついたな。
なんか考え事してて指切ったんだろ。
ずっとひかしか見てない俺にはそれくらいわかるけど、今それを指摘したら余計に本当のこと言ってくれないこともわかってる。
あとでそれとなく聞いてみっかな。
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Shee.(プロフ) - たべっこさん» はじめまして。コメント励みになります、ありがとうございます！ (2018年10月17日 6時) (
レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
たべっこ(プロフ) - ありいののやりとり可愛くてにやけながら読んでます！続き楽しみにしてます！ (2018年10月16日 23時) (レス) id: 330ed6c9f4 (このIDを非表示/違反報告)
Shee.(プロフ) - ちかちゃんさん» ありがとうございます。まだまだ続きそうですのでよかったらお付き合い下さいね！ (2018年10月13日 2時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
ちかちゃん - やまひか大好きなので、結婚してるとか夢のようです。ありがとうございます。 (2018年10月13日 0時) (レス) id: be1cc30b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shee.
| 作成日時：2018年10月4日 20時
