すれちがい ページ13
in視点
大ちゃんが持ってきた物件はどれも一般的には人気のありそうな所。
でも俺にこだわりがあると思ったんだろうな、よくこんなの見つけてきたなっていう変わった間取りのものもいくつかあった。
「いのちゃんもっと変なの選ぶかと思ってた」
「いや、おもしれーけど住むには不便だろ?
やっぱ動線とか採光が気になる。
あと収納!大ちゃん荷物多そうだもん」
「あー、多いわ俺!収納大事!」
「でしょ?引っ越すまでにいらないもの捨ててよ?」
大ちゃんの同期だという賃貸物件担当の人が車を運転しながら、
「有岡〜、いい彼女さんじゃん」って笑った。
「あー残念、彼女じゃなくて嫁なんだよね!」
「うっわ、ドヤ顔腹立つ。
あ、奥さんもうすぐ一軒目着きますんで!」
「すいません、有岡が無理言って朝早くから付き合わせてしまって」
「いえいえ、いつもお世話になってますから!
俺、今の彼女と出会えたのも有岡のおかげなんですよ」
「お前、いらないこと言わないでいーから」
大ちゃんのおかげって?
紹介とか?…合コン、とか?
まぁ関係ねーけど、ってお腹をさすって頭の中で言い聞かせた。
.
絞りに絞ってほんとは5箇所回る予定だったけど、三軒目に内見した部屋。
白を基調とした部屋にリビングの壁一枚だけが打ちっぱなし風で、高い位置の壁収納。
その奥には琉球畳の小さな和室スペースがあって。
その他に寝室がひとつと、ウォークインクローゼットと、洋室がひとつ。
全ての部屋の壁紙の材質や色合いが少しずつ異なるデザインになっている。
「あ、こうなってんだ」
気になっていたキッチンの奥のパントリーはストック棚が豊富で、これならストック癖のある大ちゃんにも対応できそうだ。
「ここの天窓って、」
「ああ、これはですね、」
採光も申し分ない。
よく、いい家はそこで生活する景色が目に浮かぶと言うけれどまさにそんな部屋だった。
「ねえ大ちゃん、」
「んー?どした、次行く?」
「んーん、俺ここ気に入った。
いいの?ほんとに俺が決めて」
「大丈夫だよ。間取り選ぶ時点でさ、俺的に無しな感じのは省いてるから」
「…んじゃ、ここにする!」
.
後日、審査書類が通って、契約が決まったと大ちゃんから嬉しそうに電話があった。
『引越しさ、各々都合のいい日でいい?』
「いいよ、大ちゃん忙しいもんね。
俺もちょっと仕事遅れちゃってるし」
『あー、つわり?大丈夫なのかよ』
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Shee.(プロフ) - たべっこさん» はじめまして。コメント励みになります、ありがとうございます! (2018年10月17日 6時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
たべっこ(プロフ) - ありいののやりとり可愛くてにやけながら読んでます!続き楽しみにしてます! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 330ed6c9f4 (このIDを非表示/違反報告)
Shee.(プロフ) - ちかちゃんさん» ありがとうございます。まだまだ続きそうですのでよかったらお付き合い下さいね! (2018年10月13日 2時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
ちかちゃん - やまひか大好きなので、結婚してるとか夢のようです。ありがとうございます。 (2018年10月13日 0時) (レス) id: be1cc30b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shee. | 作成日時:2018年10月4日 20時