大きな勇気 ページ5
ト「!...どうしたんだ?」
その子だった
何か言いたげだったから
視線を合わせるために前にしゃがむ
お腹でも減ったのか、と安易な考えをしていた
僕だがすぐにその考えを改める
『捨てるの?』
一瞬、時が止まった
きっと先ほどの会話のせいだろう
“気まぐれならすぐに捨ててこい”
“捨てるの?”
連れてきてから初めて発した言葉だった
自分の今までいた場所から離れる時でも
その子の表情は変わらなかった
だが、今は“悲しい”と顔に書かれていた
僕のスーツの裾を震えながらも
ギュッと掴んでいた
瞳には涙が溜まっていた
知らない大人
怒鳴り声
捨てろと言う言葉
小さな子供が不安になるには十分過ぎる
僕があまり気にしなかったばかりに
この子を不安にしてしまったのだ
その時、心臓を握り潰されたような感覚がした
罪悪感だ
不安な環境の中、いくら怖くても
唯一頼れるかもしれない
手を伸ばすしかなかった
小さな子供がこんなに大きな勇気を出したのだ
僕がすることはただ一つ
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siriusu(プロフ) - 最近作品を見たのですがとても面白くて好きです!アベンジャーズの作品はあまり多くないので更新楽しみにしています! (2021年7月29日 23時) (レス) id: 13d54f4ebe (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - 続き!続きが気になります!更新楽しみにしてます!! (2020年4月18日 21時) (レス) id: d875fe0836 (このIDを非表示/違反報告)
太郎 - 更新楽しみにしています (2019年6月19日 1時) (レス) id: 15ed4f4dec (このIDを非表示/違反報告)
ナナミ(プロフ) - 読みました!凄く内容が言葉が良くて心に沁みます。たのしみに待ってます。 (2019年6月9日 7時) (レス) id: 162c0f6f4e (このIDを非表示/違反報告)
ばくだん(プロフ) - やのと。さん» あぁ優しい言葉がしみます(((ありがとうございます! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 814e02a417 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばくだん | 作成日時:2019年5月28日 21時