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またひとりぼっち ページ19

〜過去編3〜




油断した



その油断が命取りだと散々学んでいたのに


銃が向けられているのに気付いた時は




もう何もかもが遅過ぎた




銃声と崩れ落ちる彼



『おいっ!』



駆け寄って彼を抱える






サ「しくったな。」






そう笑う彼がいつもより弱々しく見えた



『嫌だ、死なないで。また一人になってしまう。』



必死に傷口を抑えても止まらない血








『い、やだ。すぐに救護班を。』


サ「不思議だな、怖くはない。」




『嘘だ、あんたは嘘ばっかり。』




サ「たしかに、心残りはある。
あのコーヒーが飲めないのと
お前を一人にしてしまうこと。」




『なら、生きてよ。一緒にいてよ。お願い。』




サ「ハハハ、最初で最後の
わがままを聞いてやれないなんてあんまりだぜ。」






こんな時までいつも通りなんて、





『まだまだあるんだ。叶えてよ。』



サ「お前なら大丈夫。何てったって俺の家族だ。」






そう言って私の頬をいつもより優しく撫でた






『置いていかないで。』





サ「当分こっちには来るなよ。」













『ねぇ、返事をしてよ。お願いだよ。“サツキ”』










それが最初で最後彼をサツキと呼んだ瞬間だった







ずっとおい、とかでしか呼んだことがなかった


無意識に大切なものができるのを
拒んでいたのかもしれない


でもそんなことしなくとも彼は
いつのまにか大切なものになっていた





安らかに眠る彼を抱きしめて







泣くことしかできなかった






何度も何度も



これが夢だと、いつもの彼の嘘だと



すぐに起き上がって、







やっと俺の名前呼んだな






とニヤニヤしながら嬉しそうにするんだと



何度も何度も、





サツキ、




と呼ぶことしかできなかった





そのあとSHIELDと軍を行ったり来たりしていたら



凍ってしまったのだ

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ばくだん(プロフ) - やのと。さん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2019年5月27日 7時) (レス) id: 814e02a417 (このIDを非表示/違反報告)
やのと。(プロフ) - ばくだんさん» もうほんとせびお願いします() ばくだんさんの小説大好きなんです、 (2019年5月26日 22時) (レス) id: 32a943ab58 (このIDを非表示/違反報告)
ばくだん(プロフ) - やのと。さん» 本当に公開しようかな....(((ありがとうございます!! (2019年5月26日 19時) (レス) id: 814e02a417 (このIDを非表示/違反報告)
やのと。(プロフ) - 2つの小説めちゃくちゃ見たいのでぜひ公開を...!!! (2019年5月26日 19時) (レス) id: 32a943ab58 (このIDを非表示/違反報告)
ばくだん(プロフ) - アダ子さん» ( 'ω')クッ!お優しい方だ!!!ありがとうございます! (2019年5月26日 15時) (レス) id: 814e02a417 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばくだん | 作成日時:2019年5月22日 18時

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