ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ27)

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68束丸山side ページ27

丸「ただいまー」

Aちゃんを無事送り届け自転車に乗って家に帰る

いつもはかえってくる返事が無くて店の方にまわると閉店時間ギリギリやのにお客さんに対応するオカン

母「あ、ええところにきたわ

ちょっと予約票出してきて。切れてもうたんよ」

丸「あ、うん

‥‥いらっしゃいませ」

客「どうも

こんな遅い時間にごめんな、君まで働かせてもた」

丸「いえいえ」

僕よりも少し背の高い男の人

スーツ着てるから会社勤めなんかな

母「ほら、前言ってたイケメン(ｺｿ」

オカンがそばで耳打ちする

言われて顔を上げると、確かにかっこいい

レジ下の引き出しから新しい予約票を出してオカンに渡す

2人の話を聞いてるとどうやらこの人はあと2週間にせまった彼女の誕生日に花を送りたいらしく最近よくここに通ってるらしい

仕事の関係でいつも閉店時間ギリギリやけど

母「じゃあ、この日の朝に用意しときますね」

客「すいませんね、開店の前やのに」

母「いいんですよ、とっておきのプレゼントですもん」

オカン‥‥女の顔になるのだけはやめてくれ

母「ありがとうございました！また来てくださいね」

客「こちらこそ、いつも無理言ってすいませんでした」

イケメンさんは頭を下げて店を去っていく

彼女に花とか、ロマンチストやなぁ

花言葉とか考えてるんかな

まだ1人でイケメンだのなんだの騒いでいるオカンの目を盗んで予約票を見る(普通はプライバシーとかいう理由で見せてくれへん)

あ、確かに変わった花やわ

‥‥あれこの花の花言葉ってなんやっけ

丸「え」

母「あ！あんた予約票見るな言うたやろ！」

丸「あ、ちょ、それ‥「お客さんのプライバシー保護！なんか言うたら分かるん‥」母

盗み見がバレてオカンには叱られてもうたけど

見間違いじゃなかったら

予約票に書かれてた名前は

今日、Aちゃんから聞いた名前と一緒

漢字はよくわからんかったけど

その上に書かれたフリガナはオオクラタダヨシやったから間違いないやろ

じゃあ、誕生日の彼女っていうのはAちゃんの親友やった子‥‥？

丸「それ、最低すぎるやろ‥‥‥」

ずっと前からその子のための花束を考えてたとか

Aちゃんが可哀想で可哀想で仕方がなかった