ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ18)

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暑い体育館で長くて退屈な始業式が終わる

始業式の最中、今別の場所で丸ちゃんも始業式に出てるんだよなと考えるとおかしくて

時間はすぐに過ぎていったのだけれど

始業式の日は、授業もないし部活もないから宿題をちゃんと済ませている人は午前中には家に帰れる

もちろんすぐに帰りたかったけれど

章大と亮にうまく言い訳して先に帰ってもらった

一人、人気のない廊下にでる

外には、集団で帰っていく生徒の姿が見える

横「あれ？何してんの」

『横山先輩！』

階段付近で横山先輩につかまる

『あ、ちょっと呼び出されちゃって』

横「ふぅん。意外と不真面目やねんな」

『逆です。模範的だから呼ばれるんです』

いけない関係をつくると嘘もすらすら出てくるらしい

横「なんやねんそれ笑」

『先輩には関係ないです

…あ、試合おめでとうございます』

横「お、ありがとうな」

そのまま先輩とはそこでさようならをして私は階段を上る

ちらちら振り返ってはいたけど特に誰かがいる様子もなくて安心する

準備教室のドアは半分あいていてそこから中をのぞくと椅子に腰かけて窓の外を見る先生がいた

『先生？』

大「あ、やっと来た」

教室の中に入ると冷房がかかってなくて

一瞬で汗が出る

『あの、話ってなんですか』

少し、期待していていた部分もあったのかもしれない

もしかしたらこの不安定な関係にやっと名前をつけてくれるんじゃないかって

大「この関係、やっぱり無理よな」

笑顔で言うから

何も、言い返せないじゃない