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クリスマスに花を買いに来る人はなんだか男性が多い気がする。
みんな幸せそうな顔で、けどどこか緊張した面持ちで、花束を買って行く。
店内に流れるクリスマスソングを口ずさみながら花の手入れや店内の掃除をこなしていく。
もう手慣れたもんやなぁ、なんて思いながら。
ある程度の接客も出来るようになってきた。
丈「よし、そろそろ閉店準備しよか〜」
「はぁ〜い!」
時計を見ると18:50。
もうこんな時間やったんや!と驚くぐらいには今日はバタバタしていた。
カランコロン
「いらっしゃいませ〜〜!…あ!末澤先輩!!お久しぶりです!!」
末「久しぶり〜ありがとうなぁほんま助かるわぁ〜」
丈「予備校終わったん?」
末「そうそう!今からダッシュで用意して彼女のとこ行かな怒られるからなぁ」
幸せそうに笑う末澤先輩。
末「てか丈めっちゃ花束作るんうまなってるやん!びっくりしたし!俺よりうまいんちゃん?」
丈「え?あ、これ?」
末「そう!めっちゃかわいいやん!」
丈「これ作ったん大橋な(笑)」
末「え!?まじで!?!?センスあるしめっちゃ綺麗に作ってるやん!もうここでずっと働いてくれよ!(笑)」
「ほんまですかぁ!?嬉しい〜!!」
丈「俺はいつまで経ってもうまく作れへんわ(笑)てかはよ行かな怒られるんやろ?はよ行きや!」
末「ごめんな!なんか店頼んでんのに俺だけ幸せで!!!ほな!!!」
丈「うっさ(笑)」
バタバタ出て行った末澤先輩を、切ないような苦しいような瞳で見つめるじょう先輩。
「じょう先輩は、苦しくないんですか?」
無意識にそんなことを聞いてしまっていた。
丈「え?なにが?!」
目を丸くして尋ねるじょう先輩に、「あ、いや、なにも…」とアタフタしてしまう。
「片付けましょ!はやく!ね!」
少し無理矢理な気もしたけど口走ってしまったことに後悔しながら、閉店準備を進めていった。
じょう先輩は不思議そうな表情をしていたけど…苦しくないんですか?なんて、そんな苦しくない訳ないのに。
デリカシーのないことを聞いてしまった自分に腹が立つ。
丈「大橋さぁ、」
後ろから話しかけられたその声はとても落ち着いていて、振り返ると真っ直ぐに俺を見つめる目。
丈「俺が誰のこと好きか、気付いてる?」
なんて答えるのが正解なのか、頭の中をいろんな答えが渦巻いた。
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おまめさん(プロフ) - 樹れれ*さん» コメントありがとうございます!そしてすごく嬉しいお言葉…心に滲みます…(泣)引き続き、温かい目で見守ってやってください! (2020年6月7日 16時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
樹れれ* - コメント失礼します!最近この小説を読むことが日課になりつつあるくらい大好きです。純愛で、それでいて儚い青緑を書ける主様素晴らしすぎます!(緑くんの純粋さが疲れをとってくれる癒しです。。)毎度の更新楽しみにしています。お身体にお気をつけてください(*^^*) (2020年6月7日 0時) (レス) id: d9fa3e456d (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - ももさん» コメント読んで嬉しすぎて上がった口角が下がりません…そう言っていただけると活力になります!少しでも読んでて良かったと思っていただけるような結末に向けて書いていきますので、温かい目で見守ってやってくださいませ! (2020年6月6日 23時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 初めてコメントします。私自身嫌なことがあった日も、この小説読むと吹き飛ぶくらい大好きです笑、長編は連載大変やと思うので、マイペース保って無理せず頑張ってください!陰ながら応援してます。 (2020年6月6日 21時) (レス) id: 1c767c69e9 (このIDを非表示/違反報告)
おまめさん(プロフ) - イチゴさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(´;ω;`)ゆっくりになりますが、今後もご愛読宜しくお願いします! (2020年6月6日 0時) (レス) id: 78dec32c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おまめ | 作成日時:2020年5月3日 23時