Beautiful Moon 3rd (ページ4)

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まさか合コンの参加者の中に成年を偽った未成年がいたなんて知らなかった。ガードは堅くしていたし、写真を撮られそうになっても極力避けた。どんなに酒を飲んでも理性だけは狂わないように気をつけていた。

場の雰囲気に飲まれて少し飲みすぎたと感じる瞬間はあったけど、できる限り気を使ったつもりだった。

「でも後悔してる」

『うん』

「こんな無様な姿を好きな子に知られて、しかもラブホで合コンしてたことまでバレてさ」

すっかり忘れていた頃に降りかかったスキャンダルに俺は翻弄されている。

「何で俺は10年以上逃げ続けてきたんだろうって、本当に好きな子がいるのにどうして真剣に向き合わなかったんだろうって、後悔しかない……」

週刊誌だし相手も酔っていたからどこまでが本当で嘘なのか、自分でも判断ができない。でもラブホ合コンに参加したのは紛れもない事実だ。

「好きな子もグループも失いそうになって気づくなんて遅いんだけどね」

見捨てられないとは言いつつ幻滅しただろうな。

「俺今度こそ綺麗さっぱり諦めるつもり」

『……へ？』

Aは目を丸くした。

「10年以上の片想いだから諦めるのも苦労すると思うけど、ダサい姿を知られてるのに振り向いてくれることはないと思う」

Aはそこら辺が厳しい人だ。

3年前、元彼と別れた原因はその前の年に彼が別の女優さんと熱愛疑惑を撮られたことにある。彼は無実だったけれど、事前に知らされていたはずの週刊誌掲載をAに伝えていなかったらしい。結果としてAは一般の人と同じタイミングで彼のスキャンダルを知り、深く傷ついて彼への不信感を抱くようになった。

1度感じた不信はそう簡単には拭えず、大人の恋愛には切っても切りきれない体の関係をも拒否するようになったという。そして2人は破局した。結婚を前提に付き合ったはずのカップルは結婚間近で終わりを迎えた。

「本当は諦めたくないけど……」

『じゃあ諦めなくていいじゃん』

今度は俺が目を丸くする番だ。至って真剣で真面目な瞳に目を逸らせない。

『それとこれは無関係だし諦める必要なくない？』

「でもダサい姿晒したんだよ……？」

『ダサくてもいいじゃん。こういう仕事してるから流出の仕方が悪かっただけで挽回できると思うけどなぁ』

両膝の隙間に顔を乗せながらAは言った。