【QK】ミモザの花言葉 vol.3【短編集】

体調不良(HBD!) fkr × kwmr ページ39

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河村side

なんで僕は、冬生まれなんだろうか。なんで僕は、こんなにも身体が弱いのだろうか。

誕生日が来る度、ほとんどの確率で体調を崩している自分の身体を恨む。もちろん今年も例外ではない。

毎年の通り長らく休んでいる時期だから、わざわざ会社に連絡はしない。その代わりに、福良には毎朝体調を報告している。…今日は、それに加えて〈夜会いたい。〉とも添えて。

〈当然行くつもりだったよ。19時くらいに行くね。起きてなかったら合鍵で入るから楽にしてて〉

福良からの返事に少しだけ笑みが浮かんで、また意識が微睡みに落ちていった。



次に目が覚めたのは、10時くらいだったと思う。枕元に常備している体温計で熱を測ってみれば、37.6。微熱にはすっかり慣れてしまって、薬を飲まなくても動けそうだ。重たい体を頑張って動かして、お風呂場へ向かう。

滅多に人に会わないのとしんどいのとでお風呂に入るのをサボっていたから、今日は流石に入る。といってもシャワーだけだ。こまめに休憩を入れつつ、なんとか湯冷めしないうちに着替えまで済ませられた。

お腹が空いたのでキッチンを物色してみる。レンジで温めるだけのお粥が見つかった。今僕は1週間に1回ぐらいある福良からの差し入れでほとんど暮らしている。体を動かしていないのに太らないどころか痩せていくのは、摂取カロリーが少なすぎるからであろう。春になったらなるべく食べるから。ごめんね僕の身体。

昨日の夜の間に更新されていたQuizKnockの新着動画を見ながら、のそのそとお粥を口に運ぶ。ものを食べるって結構疲れるし、飽きる。半分ほど食べたところでもうやめようかと思ったけど、今日は福良が来るから。後で褒めてもらおう、と完食した。

放っておいても未来の僕が困るだけなので食器を洗い、寝室へ舞い戻る。その辺に置いてあった本から何冊か手に取り、枕をクッション代わりにしてベッドに座った。

この時期は積ん読解消がよく進む。ついネットで新しい本も購入してしまうから0になることはないのだが、以前から読もう読もうと思いつつも放置されていた本はだいぶ減った。



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