「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ48)

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王の教室(ロイヤル・ワン)の前にザワザワと見物客が集まる。

「すごいギャラリー」

「そりゃ王の教室(ロイヤル・ワン)の開放日だもん」

「それだけじゃないと思うよ〜」

"リードに負けた"オリアスが説明する。あのカルエゴに啖呵きって無茶な勝負をし、見事王の教室(ロイヤル・ワン)を手に入れたのだ。問題児クラスは"変なクラス"から、"変だけどすごいクラス"になったのである。

「だからもっとハシャい…で…どうしたの!?」

褒められ慣れていない人たちが恥ずかしそうにソワソワしていた。

「アッハッハッハッ照れてやんの！」

爆笑しているオリアスを他所に、カルエゴが入間に近づいて聞く。

「満足か。クラスの奴らが評価されるのが目的だったんだろ？」

「えぇ。暗い顔してたAも、幾分かスッキリした表情になってますし。」

「(あいつはまた何か抱え込んで…はぁ…)」

「あ！エギー先生だ！」
「カギは!?開けて開けて！」
「みんなー開くぞー！」

カルエゴが王の教室(ロイヤル・ワン)は騒々しく開けるものではないと注意するが、無駄である。

厳重に施錠されていた鍵を開けていき、開門する。

「ここに王の教室(ロイヤル・ワン)の開放を宣言する。この先こそが、我が校の誇る王の遺物にして貴様らの新しい…」

カルエゴが何か言ってる最中でも気にせず入る問題児たち。

「「城ーッ」」

「すっげぇ！」
「広！」
「天井高〜い♡」
「こっちも高そう」
「サブローすごい泣いてる!!」

その豪華さに皆が感動し、興奮する。

そして、黒板のある部屋に移動した時だった─

『ここが、魔王が過ごした教室…』

「まるで魔王の魔力に包まれてるようですね！イルマ様!!」

入間がとある椅子を見つけ、呟く。

「なかなかどうして、いいもんあるじゃねえか」

そして入間がその椅子に座った瞬間─誰も動けなかった。その姿が、まるで、まるで…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
翌日─

いつも通りアリスと共にイルマくんの家に向かい、途中でクララちゃんと合流してから家の前で待っていると…

「ごめんね…」

申し訳なさそうに謝りながら出てきたイルマくん。いつものイルマくんだ！クララちゃんがイルマくんの周りをぐるぐる回っている。

「はっ!!悪周期のイルマ様も気高く!!しかしやはりいつものイルマ様が一番かと…!!」

本当にそう思う。戻ってよかったぁ…

『イルマくん、おはよう！』

「Aちゃん…おはよう！」