「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ40)

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「うん、ムリだろ。どう考えても。」

廊下に集まり、先程提示された条件について話し合う。

「あれくらいの条件は想定の範囲内だ」

「えぇ!?どこが!?」

「ヌシらは王の教室(ロイヤル・ワン)が欲しくないのか!?」

「正直どうしても移動したい訳じゃないよ。できたらスゴイと思うけどさ。」

「今の教室もそんな嫌じゃないし、はみ出し者扱いも割と面白いし」

その言葉に頷くみんな。

「だからだよ、ついてこい」

イルマくんについて行き、木々が生い茂る所から抜けると…

「「おおおおお」」

目の前には王の教室(ロイヤル・ワン)がそびえ立っていた。

「すげー」
「迫力あるー」
「ここで授業うけるとかますますムリだろー」

初めてこんなに近くで見るけど、すごく大きい…

ふと、イルマくんがこの前の生徒会の解散選挙(タイマン)の話をする。なんと、ロノウェ先輩に票を入れた人が6人もいたのだ。それ以外の人の理由はまあ、お察しの通り…。私は勿論アメリさんに入れたけど。

「そう、お前らは何より楽しいことを好んだり、自分の欲に忠実で他には興味がなかったりする」

自分の欲…

「そして[他と違う]ってことに一種の誇りをもってる。まるで…私欲(エゴ)にまみれた危険な悪魔、[元祖返り]とやらの雛の集まりじゃないか。」

イルマくんのその言葉に息を呑んだ。そうか…私は他と違うことに引け目を感じていたけど、悪魔はそうじゃない。アリスにも言われたように、逆に誇らしいことなんだ。

「そんなお前らに王の教室(ロイヤル・ワン)は魅力的なはずだ。だってそうだろ？数百年の間、閉ざされてきたバビルスの絶対不可侵領域。最高の価値をもつ汚してはならない魔王の遺物の教室を、なんの興味もないお前たちが使うんだ。これは"楽しい"だろう。」

みんながイルマくんの話に耳を傾ける。確かに王の教室(ロイヤル・ワン)に入りたいって人は沢山いるだろう。設備もいいらしく、みんなが好きそうな部屋を挙げていくと、ワクワクした表情に変わった。どうやらみんな、イルマくんの言葉に焚き付けられたようだ。

「どうせはみだすなら、思いっきり問題児(アブノーマル)でいこうぜ」

そうだ、私も悪魔らしく…問題児(アブノーマル)でいこうじゃないか…!!

って意気込んでたのが数分前─

早くもギブアップしそうです…