「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ25)

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「すみませんでした！私のせいで皆さんにご迷惑を…」

くろむちゃんがみんなに頭を下げて謝る。

「いいよいいよ！」
「ライブは大成功！終わりよければすべてよし！」

最初は恥ずかしかったけど、みんなで一緒にステージで歌って踊って…そして会場が一体化するあの感動は、きっと忘れられないだろう。

「4人も凄かったなー」
「かわいかったよー」
「アクドル興味ない？」

「ないです」
「あります！」
「いや…あはは…」
『べっ、別に〜…』

楽しかったけど、なりたいかと聞かれたら否である。恥ずかしいものは恥ずかしい。くろむちゃんはすごいなぁ…

イルマくんと話していたマルさんがこちらに来て、私に名刺を渡す。

「ちょっとでもアクドルやってみたいなって思ったらここに電話しなさい！」

『あっありがとうございます…』

口元を引きつらせつつ受け取る。もうアクドルとしてステージに立つことはないだろう…きっと…

「みんな帰ろう！」

色紙を持ったイルマくんが私たちに声をかける。

『イルマくん、それは？』

「くろむさんからサイン貰っちゃった！」

『えっいいな〜！私も貰ってくる!!』

色紙を持って、くろむちゃんに声をかけた。

『私もサイン、お願いします！』

「いっいいですよ…！」

何とも可愛らしいサインを貰えて満足だ。

『じゃあ、また学校で』

くろむちゃんに手を振って、イルマくんたちの元へ戻ろうとした瞬間、腕を掴まれる。

「なっななな何で!?」

ふと自分の発言を頭の中で繰り返して、あっ…と気づく。そう、くろむちゃんの正体を知ってますよと言ってしまったようなものだ。

「まさかイルマさんから…!?」

『イルマくん？』

昼ライブの時に、何となく感じたことがある魔力だなとは思ってたけど、先程のステージでくろむちゃんが現れた時、ケロリちゃんの家系能力である【氷面】を使っていたので、そこで確信に変わったのだ。学校でのケロリちゃんも認識阻害グラスをしているし。そうか、イルマくんもくろむちゃんの正体を知っているのか。

「えっ…じゃあ、なっ何故私が同級生…クロケル・ケロリだと…!?」

『えっと…くろむちゃんから感じる魔力が、ケロリちゃんと一致してたから…？』

「…感じる魔力？」

私もよく分からないが、バビルスに入って色んな人たちと関わっていくうちに、人それぞれが持つ特有の魔力を何となく感じるようになったのだ。まだ完璧とは言えないが…