「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ23)

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「詳しいことは言えないんだけど…アズくん、クララ、Aちゃん！くろむちゃんのためだと思って、お願いします！」

「勿論です！」
「がってんしょうちの悪魔！」
『オトモダチは助け合うものだもんね！』

イルマくんから事情を聞き、私たち4人はくろむちゃんのマネージャーであるマルさんに提案をしに行った。

「前座？」

「はい！パフォーマンスでもなんでもします！だから、ライブの中止は待って欲しいんです！」

「ムリだって言ってるでしょ！気持ちは嬉しいけど大人しくしてて！"お願い"だから！」

その言葉を聞いたイルマくんが、困ったように顔を曇らせた。それを見て、アリスとクララちゃんと一緒に前に出て手を上げる。

「『いやです』」

「イルマ様から事情は伺っております。要はストレスを発散させればいいのでしょう？」

『ハルファス家の…悪魔として、困っている人たちを放っておけません！』

「私は鬼ごっこがいいと」

「何か方法があるのでは？」

クララちゃんを遮って尋ねるアリス。

「…っだめよ!!お客はくろむを見にきているの!!かわいくて華やかで！学生という特殊な立ち位置(ステータス)のアクドルを!!くろむまでとはいかずとも！若くて多少の素人感があっても許せるかわいい学生パフォーマーなんて、この場には─…」

ふと、マルさんと目が合う。そして同時にクララちゃんが可愛らしい衣装を出して言った。

「じゃあつくる？」

「見つけたわ!!」

『何をですか!?』

「へいお2人さん、覚悟はいいかい？」

クララちゃんは可愛らしい衣装を2人に押しつけ、マルさんは私を会議室へ押し込んだ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そして現在─

「我ら、イルミとゆかいな仲間たち!!!」

会場がザワつく。

「イルマち、アズアズ、A！」

クララが3人に声をかけ、会場に向かって挨拶をし始めた。

「森の妖精クラりんだよ〜！おやつちょーだい！くれないと食べちゃうぞ〜ガオー!!」

観客たちはあんぐりと口を開けている。続いて、もじもじしながらアリスも挨拶をする。

「ち、ちょっぴりシャイで、クールなアリスです…」

ごにょごにょとクララに何かを言われ、「そんなこと言えるか！」と否定するも、くろむと入間のためと言われてしまえば…

「熱い炎で貴方のハートを燃やしちゃうよ！バキュン！」

恥ずかしがりながらもやってくれるアリス。会場内の空気が少し暖まったところで、Aが前に出る。