「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ21)

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アクドルページ21

「おぉ〜、一面だ〜!!」

先日の師団披露で一躍有名人となった入間たち。校内新聞の記事にでかでかと写真が載せられている。

「すごいね〜イルマち！」

『[3]と[4]の1年カルテット…だって！』

「や…その…」

「すごいな〜、くろむちゃんより記事でっかいじゃん！」

「くろむ？」

「知らないの!?ほら！下！」

リードが指し示す記事を見ると、[アクドルくろむちゃん！魔苦針ドームで朝昼晩(いちにち)ライブ開催!!]と書いてあった。

「あくど…？」

「えぇ〜!?そっからなの!?」

魔界歴1年目の入間は、アクドルという存在を知らない。

「仕方あるまい！イルマ様は幼少期より理事長の下で大切に保護されてきたため世情には疎いのだ！察っせい！」

「(そういう解釈だったんだ)」

黒板に"悪取(アクド)ル"と書いて、アクドルの説明をするアリス。

『(へ〜…名前だけは知ってたけど、アクドルってそういう役職だったんだ)』

ここにも世情に疎い人…天使がいた。Aがアクドルに興味を持ち、『将来はアクドルになる！』なんて言わないよう、Aの兄であるスティングによってアクドルに関する番組や情報を避けられてきたのだ。誠に過保護な兄であるが、Aが学校に通う以上、アクドルの話題を避けさせるのは難しい。

「中でもくろむちゃんは若手のエース。パフォーマンスよし！歌よし！というか、かわいい!!これに尽きる!!」

「キューティー!!」「キューティスト!!」

「この朝昼晩(いちにち)ライブ、まさに今日なんだよ！」

リードが入間にライブ配信を見せる。それを後ろから覗き込むA。

『(確かに可愛い…！)』

「チケットはいつも即完売！VIP席は抽選でくろむちゃんと直に話ができるらしいよ」

へ〜とみんなの話を聞いていると、放送で入間が呼び出される。

「なんだろ？ちょっといってくるね！」

と言う入間にアリスとクララもついて行く。

「Aも行くぞ！」

リードたちとAが仲良くするのが気に食わないのか、アリスがAも連れて行く。

「これを君たちに」

放送師団団長であるバディン・バラキが、入間たちにチケットを差し出す。

「すごい人気の…くろむ…？ちゃんのライブチケット！」

彼の親族が主催者の友人であり、チケットを取ってくれたらしいが、急遽ライブの仕事を手伝わせてくれることになったらしい。余った4枚のチケットを、魔具研究師団の入間たちにくれるとのこと。

「『ありがとうございます！』」