「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ17)

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「そういや、アイツは？」

『ああ、アリス？さっきアム様と一緒に披露巡り行ったよ？』

「なぁんだ、からかってやろうと思ったのに。まっいいや！オレたちも行こうぜ！」

『はいはい。ごめんねイルマくん、ちょっと行ってくるね！』

仕方ないという感じで言うAだが、どことなく嬉しそうな雰囲気が感じ取れるので、きっと兄に会えて嬉しいのだろう。

「うん！行ってらっしゃい！」

「(みんなも色々家庭の事情があるんだなあ。でもやっぱり家族の前では[素]が出るというか…)」

笑い合う家族を見て、ボソリと呟く。

「─…いいなぁ」

「どのお菓子がいいの？」

「!! おじいちゃん…っ」

理事長こと、おじいちゃんが入間に声をかける。

どうやら入間も、家族と一緒に師団披露を楽しむようだ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「ねぇ、あのイケメン誰？」
「隣歩いてるのAちゃんじゃない？」
「もしかしてA様の彼氏!?」

目立たないようにと釘を刺しておいたのに、すでに目立ってしまっているお兄ちゃん。

『お兄ちゃん、認識阻害グラスは？』

「…あっ忘れた」

『リオンさんに伝言頼んだのに…』

「そういや出る前なんか言ってたなぁ。Aに会いたい一心で聞いてなかったけど。」

ため息を吐きつつ、お兄ちゃんと本祭を回る。まずはサブノックくんの魔王活劇を見に行くことにした。

「我は天遍く存在の王、消失の魔王"デルキラ"である!!ひれ伏せい!!」

流石サブノックくん。魔王を目指してるだけあって演技に迫力がある。思わず感動していると…

「まさかアイツがAの彼氏か!?」

『ちっ違うってば！(告白されたなんて言えない…！)』

次はジャズくんが所属する魔術開発師団。石から水を生成するショーを見る。

『すごい！ほんとに石から水ができるなんて…！』

「オレだってあれくらいできるし…」

何か言ってるが無視して、ショー終わりのジャズくんの元へ向かった。

『ジャズくん、お疲れ様！ショーすごかったね！』

「Aちゃん！見てくれてたんだ！」

『うん！新しく魔術を開発するなんて、すごい師団に入ったね！』

「よかったら、今度体け…ヒィッ！」

「アンタがAの彼氏か？」

ジャズくんと話していると、怖い顔をしたお兄ちゃんが近づいてきてジャズくんを睨みつける。

『お兄ちゃん、やめてって言ったでしょ！』

「あっAちゃんのお兄さん？」

「アンタにお兄さんと呼ばれる筋合いはない!!」

『お兄ちゃんっ!!』