「他と違う」ってこと Ⅱ (ページ13)

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ぱちっと目が覚め、一連の事件を思い出して慌てて起き上がる。

「こらこら、急に起き上がっちゃダメだよ！」

声がした方を向くと、ダリ先生がいた。

『みんなは…!?』

「無事だよ」

その一言を聞いて、安心した。中央広場に花火を投下せずに済んだのは覚えているが、その後の記憶がないので、魔力を使い果たして気を失ったのだろう。そこで、ピアスを外してしまったことを思い出して右耳に触れてみると、外したはずのピアスがちゃんと着いていることに気づく。誰かが着けてくれたのだろうか？

『イルマくんと…キリヲ、先輩は…？』

「イルマくんは理事長といるから大丈夫だと思うよ！そして今回の事件の主犯の子だけど…魔界警備局に連行されたよ。」

『そう…ですか…』

気を失う直前、先輩がバリアを張ってくれたのは覚えている。学校を壊そうとはしていたが、私とイルマくんを助けたことには変わりない。

「…君は他人(ひと)の心配より、自分の心配をしなさい！」

ダリ先生に頭をクシャクシャと撫でられ、むず痒い気持ちになった。

「Aさんを発見した時、魔力がほぼ空だったみたいでね。カルエゴ先生が急いで保健室に運んだんだ。」

カルエゴ先生が…？後でお礼を言わなきゃ。

「何人かの先生で代わる代わる回復魔術をかけてたんだけど、体調は大丈夫そう？」

『はい、今はもう大丈夫です』

「よかったぁ！完全に回復するまでここで休んでて…って建前上言いたいけど、君を心配する人たちがいるみたいだからね」

テーブルに置かれた私のス魔ホが着信を知らせている。開いてみると物凄い量の着信履歴が表示され、そっと画面を閉じた。見なかったことにしよう…。

「行っておいで！」

『はい！ありがとうございます！』

優しく微笑むダリ先生に見送られ、保健室を後にする。

中央広場が騒がしかったのでそちらへ行ってみると、騒ぎの中心にイルマくんと理事長を発見する。

『イルマく〜ん！』

「あっ！Aちゃん!!」

イルマくんの元へ駆け寄ると、アリスとクララちゃんもいた。

「A！いったいどこに行ってたのだ!?」

「Aやっと見つけたー!!」

『ごめんね、心配かけちゃって』

「何回も電話したんだぞ！」

『ス、ス魔ホの電源がキレテタノカモ…？』

「嘘つけっ!!」

速攻で見破られた。

『ごめんごめん！後でイルマくんと一緒に話すから！』

「そうだね、後でちゃんと話すよ。さ、僕たちも本祭を楽しもう！」

「はい！」「うん！」