【まふまふ】ねぇ、あのさ。【歌い手】 (ページ2)

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ある男性はある病院のとある病室にノックした。

“どうぞ”

直ぐに声の透き通った女性の声がした。

「やっほ！お見舞いにきたよ！」

『まふくん…わざわざこんな所までありがとう！』

そう微笑むと男性は少し悲しそうな顔をした。

「…っねぇ、A大丈夫なの？倒れたんでしょ？」

Aは1週間前程にデパートで買い物中の際倒れてしまった。

『…うん！全然大丈夫！直ぐに治るってさ！』

そう彼女が微笑むと男性は直ぐに笑顔になる

そうして何かを思い出した様な顔をし“これ！”といい大きなフルーツを渡す

『まぁ！こんなの貰ってもいいの？』

「勿論だよ！これね、そらるさんと僕と天月すんと96猫さんから！」

と言うと彼女は目に涙をためた

「皆は今日ライブで来れなかったんだけどね！僕は来たよ」

そう言うと彼女の目から涙がこぼれた。

嬉し涙なのか悲し涙なのかそれは彼女にしかわからないままだった。

『ありがとう…あぁ、そうだ。彼方達は元気？』

そう言うと男性はめいいっぱいの笑顔で“うん！”と言う

『それは良かった…ん？まふくん、携帯なってるわよ？」

と彼女が言うと男性は慌てて“わわ！電話してくる！”と言い病室から離れていく。

『…嗚呼……ほんっとうにやだなぁ…何で生まれてきたんだろ…

ははっ…情けないや…』

1週間前の昼、目を覚まし医者から言われた言葉はこうだった。

「貴方の寿命はもう後一ヶ月もない。

今から薬を飲み治療すれば治るかもしれない…！！

でも…治る確率はほぼ無いと等しい…。」

と。

それから彼女はその言葉に対してこう言った。

『いいえ、いいです。

後は自由に生きたいんです。
私の友人達ともう一度お話をして普通に過ごせればもうそれ以上望みはないです。』

彼女にとって医者の言葉は絶望的だったが、それより上にあったのが友人達と一緒に居たいと言う事だった。

こうして、今に至っている。

「おまたせ！なんかマネージャーがトラブル起こしたみたいで…今から戻んなくちゃいけないんだ…

折角来たのにすぐ帰るようでごめんね…！また明日来るね！ばいばい！」

『うん、ばいばい…』

彼女にとって力いっぱいの笑顔で彼を送り出した。

『歌いたいな…。そう、今の気持ちを表すんだったら…

“心做し”

かな…。』

そう言うと彼女は目を閉じ眠りについた…。