二十五話 ページ27
『Aって、髪の毛なんか邪魔そうだよね』
『…………そんなことないと思うが』
いつだったか、そんな会話をしたことがあった。
『そう言われてみれば、確かに。あと制服のリボンもしてないよね』
『………柄じゃないだろ』
『そっかなー、A結構美人だから、何でも似合うでしょ。ね、夏油』
『そうだね。Aちゃん髪の毛も綺麗だからさ』
家入硝子と夏油傑と、他愛もない会話をしていた時。
『なぁ今度、一緒に買い物行こう。五条は置いてっていいからさ』
『そうだな…………』
『私もついて行っていいかい?』
『いいんじゃないか』
『やった、三人で買い物行こう、いつか』
『それも、いいな』
『その時は、私がAちゃんに何か買ってあげる』
『私も』
『じゃあ、私も買う、かな』
いつか、っていつだろう。
もうないのかもしれない。
────────『三人で買い物行こう、いつか』
────────『その時は、私がAちゃんに何か買ってあげる』
約束したのに。
────────『行くよ。何日かけても。絶対絶対絶対に』
約束、したのに。
────────────────
「…………………ッ!」
走馬灯を見た、気がする。
────────何で、だろう。
何で、あんなこと思い出したんだろう。
「……………………いつか、か……」
今はとにかく、走れ。
走れ。走れ。走れ。
──────いつか、のために。
────────きっと来ない、いつかのために。
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紫夜乃 - ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - そうでしたか!わざわざありがとうございます!これからもこの作品が完結するまで楽しく読ませていただきたいと思います。更新頑張って下さい!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - ごめんなさい!二十二話の前の・の所で作者挨拶の後に二十一話が入ってます!分かりづらかったので後で修正しておきます!これからも応援よろしくお願いします! (2021年7月4日 9時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!あと質問なんですが21話って非公開か作中だったりしますか?22話公開されてるの見たのですが話がぶっ飛んでて困惑してますw (2021年7月3日 23時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - コメントありがとうございます!更新は遅いですが、がんばります! (2021年4月29日 20時) (レス) id: fef3ff785e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫夜乃 | 作成日時:2021年3月27日 16時