二十三話 ページ25
久しぶりのAsideです。
────────────
「くっ…！」
気を抜くと、すぐに自分の首を刈り取られてもおかしくない───。
──────私は、呪霊に囲まれていた。
いや、正確に言うと違うのか。私は、呪霊に追われていた。
転げるように、ギリギリで呪霊の攻撃を躱す。そして、後ろからの容赦ない斬撃。間一髪。
まさに、生と死が紙一重。一歩でも間違えれば、死 ぬ。
私の周りを取り囲む、無数の呪霊。
それも、全てが一級レベルの。
雑魚だけなら、片手で祓えた。ただ、一級が何匹もとなると話が違う。
「無茶苦茶だろ……クソッ…」
息が上がる。逃走だけでもやっとだった。
「ここで仕留めるか…！」
縺れる足を叱咤して、土埃を上げながら急ブレーキをかける。
「転力術式─“発”」
指先に、白く輝く球体が宿った。途端に呪霊の足が、地面に張り付く。
「転力術式─“結”」
そして───球体を指弾で飛ばした。
その球体は、まっすぐに呪霊に向かい、ぶつかった瞬間──呪霊が、吹っ飛んだ。
重力を球体に変える。足元の重力を奪われた呪霊は動けなくなり、重力を宿した球体で攻撃。
「………成功…！」
気を抜いてこそいられなかったが、そんな調子で何とか振り切る。
おおよそ安全地帯に入ったところで思わず、地面に仰向けで倒れた。
生き残っただけで奇跡だが、無傷───とはいかなかった。
原形をとどめないブレザー。
破れ、意味を為さないシャツ。
引き裂かれたスカート。
裸足と化したローファー。
無数の傷が走る脚。
痣だらけの腕。
ボブショートだった髪は散切りに。
荒い息遣いとともに上下する胸部には、包帯が巻かれ、血が滲む。
「あー………もう…」
は、と乾いた笑いが漏れる。
「早く仕留めないとなぁ……なぁ、」
空に吸い込まれていく独り言。
苦しみで涙が零れ落ちた。
「なぁ、夏油───傑。迎えに行くって、大口叩いたんだから…」
がふっ、と喉が詰まる。口腔から血が溢れ出していた。
「約束は…ちゃんと守るから…………」
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紫夜乃 - ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年8月7日 17時) (
レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - そうでしたか！わざわざありがとうございます！これからもこの作品が完結するまで楽しく読ませていただきたいと思います。更新頑張って下さい！！ (2021年8月4日 1時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - ごめんなさい！二十二話の前の・の所で作者挨拶の後に二十一話が入ってます！分かりづらかったので後で修正しておきます！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年7月4日 9時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！あと質問なんですが21話って非公開か作中だったりしますか？22話公開されてるの見たのですが話がぶっ飛んでて困惑してますw (2021年7月3日 23時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - コメントありがとうございます！更新は遅いですが、がんばります！ (2021年4月29日 20時) (レス) id: fef3ff785e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫夜乃 | 作成日時：2021年3月27日 16時
