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十一話 ページ12

「………くっ……!」


時は昼間。
場所は─────呪術高専。


「Aちゃん、惜しいんだよなぁ」

「あー、私もそれは思う」

「………………どこ?」

「うーん………どこ、って言われると、なぁ…」

「なんとなく、かねぇ…」


私は、家入硝子と、夏油傑と、軽く手合わせをしていた───のだが。


「お前ら…いつもどんな訓練してんだよ」

「まぁ、私たちが強いんじゃなくて、Aちゃんの力不足、だね」

「辛辣だな」

「でもさぁ、実際、あんま訓練とかしてないでしょ?」

「…事実、だが」

「Aちゃんは、このままじゃもったいないよ。ちゃんとやれば、もっと強くなれる」


ちゃんとやれば、か。

強い。それがそもそも何なのか。

アイツは、強いのか。

私の保護者は、強いのか。

ああいうことを、強いというのか。


「しっかしなぁ、どこでもいいって言ったのに、まさか手合わせ、って言うとはなぁ。それも、五条がいない時にさ」

「確かにねぇ、悟がちょうど任務の時を選んだ感じ?」


そう。今日アイツはいない。

任務に行っているのだ。

でも───


「───夏油傑、は、強いと思うよ」

「え?」


彼は────夏油傑は。

吃驚したように、素っ頓狂な声を上げた。


「いや、悟のほうが強いよ」

「ほおぅ…?A、それはどういう意味?」

「いや───家入硝子も、アイツも、弱くはないよ」

「っでも───なんで」


自分でも、

なんで、って、そんなのは、


「自分が一番、わからない」

「………………」



「でも、私が今、心から認めてるのは、凄いと思うのは、夏油傑、アンタだけだ」



「………………!」

「………………」


理由はない。

ただ─────

ただ、そう思う。


「A………ちゃん─────」




「おい!A!お前らなにやってんだよ!」



アイツの声が、聞こえた。


「おい、なんかあったんか?」

「………………」

「………悟、お帰り」

「………絶妙な男だね、五条」

「あ?」




─────結局、有耶無耶のままで、その日は解散した。

今はまだ、このままで。



いつか、はっきりさせよう。

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紫夜乃 - ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - そうでしたか!わざわざありがとうございます!これからもこの作品が完結するまで楽しく読ませていただきたいと思います。更新頑張って下さい!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - ごめんなさい!二十二話の前の・の所で作者挨拶の後に二十一話が入ってます!分かりづらかったので後で修正しておきます!これからも応援よろしくお願いします! (2021年7月4日 9時) (レス) id: 9a32eeac5c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!あと質問なんですが21話って非公開か作中だったりしますか?22話公開されてるの見たのですが話がぶっ飛んでて困惑してますw (2021年7月3日 23時) (レス) id: bfd4f19ab4 (このIDを非表示/違反報告)
紫夜乃 - コメントありがとうございます!更新は遅いですが、がんばります! (2021年4月29日 20時) (レス) id: fef3ff785e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫夜乃 | 作成日時:2021年3月27日 16時

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