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＿＿【賭け】の続き(Aside)
視界が暗くなって、意識が遠退いていくのが自分でも分かるくらいに私の体力は消耗しているようだった。
肺が、心臓が、焼けるように痛い。
目が開けられない。目蓋が重い。
脳からの信号がまるで身体に届いていないかのように身体を動かすことが出来ない。
このままここにいたら、私は殺される。
恐らく私がこんな状態になっていることは、憲兵の連中にはまだバレていない。
だから今のうちに、立ち上がらないと。
これじゃあ淡化切ったくせに、リヴァイさんたちの足枷になってしまうじゃないか。
そう思うのに、身体が動かない。
「…っ」
憲兵のあの私を見る目が、頭から離れない。
私が自分の中に悪魔を飼っていることくらい、分かっていたはずなのに。
だからこそ、私は今こうして調査兵団にいるのに。
震える手を何とか動かして、ようやく立ち上がる。
小鹿のように震えてみっともない姿のまま、血に染まった自分自身の手を見つめた。
＿＿汚い。
血で汚いだけじゃない。私には自分の手が真っ黒に見えておぞましくてしかたがない。
ふと、ハッと何かが腑に落ちる感覚がした。
頭の中で言語化不能だったこの感情が解ける。
私は＿＿。
私は、この汚い本当の自分で
リヴァイさんの隣に並びたくなかった。
私は彼が思ってるよりもずっと狡猾な手段で人を殺めてきた。自分が生き残りたいからというなんとも我が儘な理由だけで。
その本当の汚い自分を、見せたくなかった。
本当は私は強くなんてない。
だからこそ、”本当の強さ”を持ってるリヴァイさんの事が、リヴァイさんの背中が、痛いくらい美しく見えた。
リヴァイさんは、私を強い人だと思ってる。
リヴァイさんに着いていけるほど、強いと。
でも本当の私はそうじゃないということを、
近づきすぎて知られてしまったら嫌われてしまうんじゃないかって。
怖かった。
私は、世界一弱い人間だ。
私は唇を噛んだ。
遠くで、銃を構える音がする。
何故か心が晴れやかだった。死に際の開き直りかもしれないけれど、もうこの際何だっていい。
悪魔だろうが、人殺しだろうが、化け物だろうが、
私には守りたい大切な人がいる。
世界一かっこいい上司で、
私の＿＿＿＿好きな人。
その人を守れる手段を、私は持ってる。
その手段は、他の人から見たら恐ろしいものなのかもしれない。
＿＿＿それでも。
私は急いでつけた立体起動装置を急いで起動して、地下街の暗い夜空を舞った。
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むささび(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました。とても面白かったです。番外編ではなく、是非続編として本編のストーリーで夢主ちゃんが活躍＆キャラと絡むのか拝見したいです！一先ずはお疲れ様でした！また拝見出来る日を楽しみにしております。 (6月26日 17時) (
レス) @page35 id: 2279a97b0b (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます！完結まで見届けてくださり嬉しいです🙇♀️これからもがんばります、、！！ (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます！とても光栄です🙇♀️これからも頑張ります！😭 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - らなさん» ありがとうございます…！とても嬉しいです😭これからも頑張ります💪 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！素晴らしい作品だったので無事完結したことを嬉しく思います！！すっっごい面白く、素敵な作品で、あっという間に最後まで読んでしまいました！これからも頑張ってください！！！ (2023年3月15日 23時) (レス) @page35 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年10月22日 22時
