相良くんと高嶺の彼女２

21-2. ページ8

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『…というわけなんだけど、みんなでクリスマスパーティーなんてどうかな？』


「却下」



喫茶店まで迎えに来てくれた猛くんとの帰り道。
今日決まった内容を話したら、伊藤くんの予想通りあっさりと拒否されてしまった。



「無理に決まってんだろ。なんで好き好んで三橋達と過ごさねぇとなんねぇんだよ」


『だって、三橋くんが抜け殻みたいになってたから』


「三橋なんかほっとけや。その友達の女？も、本当は三橋と2人で過ごしたかったんじゃねぇの？」


『えっ…』



それって理子ちゃんが三橋くんを好きってこと…？
言われてみれば、初めに三橋くんを誘ったのは理子ちゃんだったし、私に猛くんと2人で過ごすのを薦めてたのも…
なんで見てないのに猛くんにはわかっちゃうんだろう…

考え込むほどに表情が暗くなっていく私の両頬を猛くんがつまむ。



「Aは"みんなで一緒"でいいのかよ？」


『私は…大人数の方が楽しいのかな、って…』



猛くんとの初めてのクリスマスだから素敵な思い出にしたいし
三橋くん達とも仲良くなってくれたら嬉しいな…って思ったんだけどな



「俺がAと2人がいいって言ったら？」


『猛くんとは次の日にして、24日は私はみんなとパーティー…とか？』



私の提案に猛くんが不満そうに眉間にしわを寄せる。



「…わぁったよ。しょうがねぇなぁ。24にAの家に行きゃあいんだろ？」


『いいの…？』


「俺のいないときに三橋が来るよかマシだからな」



優しい猛くんは、結局いつも私のしたいことを叶えてくれる。
それに甘えてる部分は大いにあるんだけど…
『片桐くんも誘ってね』って言うと、「はいはい」って少しめんどくさそうな返事をして私の頭に触れた。



「A」



歩き始めようとした私の腕をつかんだ猛くんが、もう片方の手で自分の頬を指差す。
これは最近の猛くんの常套手段で、私がなにか頼みごとをすると、その見返りとして頬にキスするように要求する時の合図。



『こ、ここで…？』


「クリスマスしたいんだろ？」


『っ…今回だけだからねっ…』



家では何回かあっても、外でするのは初めてで…
周りに人が居ないことを確認してからキスをすると、猛くん上機嫌で私の手を引き歩き始めた。



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