其の弐【どうして】トリップ少女、スマホ片手に神になる｡【こうなった】

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私は金色の草刈り鎌を握って構えを取る。
本当は3次元の農家の皆さん愛用草刈り機でガァアアア！って殺りたかったんだけどね。
此処にはそんな技術はないし、騒音で村人さん達が駆け付けて来たら困るので伝説のくそゲー、『私のまじっくガーデン(通称MMG)』より『金の狩り鎌vr.2』を使用することにした。


『金の狩り鎌』とは、もちろん真っ当なアイテムではない。
形状は死神もびっくりするような大鎌。厨二臭がプンプンする。


そしてその能力は
一振りすれば大きな鎌鼬が発生し、縦横15mに渡り更地にしてくれるという、下手すれば殺人を起こし兼ねない超デンジャラスなアイテムなのだ。


神経を集中させ、人が居ないことを確認。
そして大鎌となったスマホに妖気を注ぎ込む。



＜…チャージ完了、実行可能です。＞



『了解！
　……んっ！ていりゃああああああああ！！』


ジャキーンッ！っと音がして雑草畑は綺麗さっぱり消え失せた。
いやぁ、気持ちいいね。気分爽快。


＜お見事です。＞


そうだろう？そうだろうとも！！
フハハハハ！
アーッハッハッハ……見たか！これが世の力ぞ！！



＜…………。＞


あれっ！？
ちょっ…何、今の！？
待ってくーくる、タイム！
忘れて、何も見てないと言って！！


＜何もみてません。＞


……無情な電子音がツライ。
棒読みツライ。

ねぇ、真面目にさっきの何……？


＜解、鎌を使った後遺症というか、副作用ですね。＞


え、何それ初耳。


＜実はこの鎌には裏設定がありまして
昔、魔王が使っていた鎌なんだそうです。＞


『』

『いらねーよ！んな設定！！
　つか何しれっと魔王の武器で園芸させてんの！？
　そんなんだからクソゲーって言われるんだよ！』


どう考えても可笑しいだろ！？
何でガーデニングシュミレーションゲームに王道RPG系統のアイテム入れるかな！？
やっぱクソゲーだわこれ！！



ぴろりろりーーんっ♪



今度は何！？


＜……私は知りません。＞


え、どうしたくーくる。
何故ログアウトした。
仕方なく、私はお知らせアイコンをタップした。





＊お知らせ＊



* おめでとうございます。*



*武器化コマンドに新しく*


* “金の狩り鎌vr.2”が加わりました！*




………誰が使うかぁぁあああ！


反射的に
そう叫んで地面に叩き付けてしまったのは
仕方ないことだと思うんだ。


許せ、スマホ。
人の黒歴史を作り上げた罪は重いのだ。

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