其の弐【どうして】トリップ少女、スマホ片手に神になる｡【こうなった】

#63 ページ26

「総悟、終わりにしよ。」

「えーなんで？まだ5匹だし釣り始めたばっかりじゃん。」


総悟がどんどん釣り上げてくれたおかげで開始30分で人数分揃ってしまった。私の山女魚さんを初めとする小魚達も合わせれば明日の晩御飯分まである。
ていうかくーくるによると、普通この時期は一日粘って2,3匹なんだからね！？
5匹釣れれば大漁だよ！？


「いいかい総悟。今岩魚はね、産を卵む時期なんだよ。それなのにたくさん釣ってしまったら岩魚が居なくなっちゃうでしょう？」

「ふーん。わかった、じゃあまた今度。たくさんとっても腐るだけだしね。うん、帰る。」

「…ん、よくでしました。」


理 解 が 良 す ぎ る ！ ！

5歳ってわがままシーズンまっただなかなんじゃないの！？
あれ？第一反抗期だよね！？
この反動で第二反抗期が恐ろしいことになったりしないよね！？
怖いわぁ。

いや、でも誉めるべきだよね？
よし。

「ちゃんと我慢できて、偉いよ総悟！流石だね！」

頭を撫でてやろうじゃないか！


…ぺしっ


なっ！叩き落としたよコイツ。


「止めてよ、ハゲる。お前に餓鬼扱いされるとか気持ち悪い。」


あ、普通に反抗期だわ。よかった…のかな？いやでも方向性、可笑しくないか！？
これってどちらかと言うと第二反抗期の反応に近いような！？


「…ﾌｯ」


うわっ今、鼻で笑ったよコイツ…ムカつくわぁ。
でも、そこで屈する私ではない。

「何を！この餓鬼め〜！喰らえぇ！」

「ふぐぅ！？やめろっ！放せ〜っ！！」


ぎゅむむむっと抱き締めわっしわっしと総悟の撫で回す。
お前が私を拒むなど10年早いんだよ、将来はハゲて充分に苦しむがいいさ！


＊＊

「わぁっ美味しそう！！」

「へへっこれ全部僕が釣ったんだよ！」

「本当！？そうちゃん凄いね！」


私達が釣ってる間にご飯を炊いていてくれたみつばちゃんは籠を除いて大喜び。
みつばちゃんに誉められ総悟は満更でもない様子。よかったね。

イワナ達は定番の塩焼きで美味しくいただきました。

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