糖度Lv3 鬼ごっこ(ごちゃまぜ) ページ7
死に物狂いで、ちぎれんばかりに手足を動かす。動悸が上がり、酸素が足りなくなり、脇腹が痛くなる。それでも止めては行けない、鬼が迫っているからだ。
……平たく言えばあのお方の琴線に触れてしまった
case.1 雲雀恭弥
死ぬ。彼の前で何をやらかしたか。それは1つ、群れた。以上。……理不尽極まりないがこの中学では常識である。
とは言ってもカースト最下位のオタクの集いくらい許して欲しかった!! 貴重なカードバトル仲間……私が女の子だというそれだけの理由で先に逃がしてくれた優しい仲間達に心の中で手を合わせる。
彼らの犠牲を無駄にはしまい……!!
｢ぎゃっ……!! トンファーが、飛んできた……｣
決意したものの陰キャの運動能力などは高が知れているわけで
｢もう終わり?｣
鬼ごっこは開始早々王手である。
｢やっぱり弱いね草食動物は……咬み殺す｣
｢ふごふぁっ……｣
下腹部を遠慮なく殴られ壁に激突する。手に握っていたカードケースも吹き飛ぶ。
血を吐くの初めてかもしれない……漫画だけかと思ってた……
｢ごほっごほっ｣
｢これに懲りたら群れないことだね、不愉快だ。あと……｣
廊下に転がったカードケースを雲雀さんが手に取る。
｢これは校則違反だから、没収。遊びたかったら応接室に来なよ｣
勿論、行かなかった。怖い無理。いくら愛情注いだ私の魂のカードデッキだとしても雲雀さんが怖すぎて無理。
……尚。呼び出され、むすっと不機嫌顔な雲雀さんと愛しのマイデッキに再会するのはその数日後の話である。
case.2 死柄木弔
｢ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃ｣
脱兎のごとく飛び出した私をこれまた猛虎のごとく追いかける死柄木さん。
｢怒ってないから止まってってば｣
｢嫌ですよ、怖い!!｣
お酒をぶちまけたのだ、頭から。怒ってないわけがない。｢ごめんなさい、わざとじゃ……｣と怯えながらの謝罪に｢……で?｣と地を這うような回答を頂いた瞬間逃走を決意した。
｢あぁ、もう面倒い。これだから餓鬼は｣
｢わっ｣
しかし、私との身体能力の差がありすぎることは火を見るより明らかで。
｢ハイ確保｣
簡単に捕まり、米俵のように抱えられてしまった。
｢ったく黒霧は甘やかし過ぎだ。謝るだけじゃなくて、拭くものとか持ってこいよ｣
｢はい…仰る通りです。すみませんでした。あの……怒ってますよね?｣
｢いいや。どう泣かせようかぐらいしか考えてない｣
｢怒ってらっしゃるじゃないですかやだぁ……逃げたい｣
｢だめ｣
続。鬼ごっこ糖度Lv25(雲雀恭弥)→←糖度Lv5.名前 (ヒロアカ)
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2018年3月8日 8時
