◆ ページ16
言われた通り、リヴァイさんの帰りを待つ。
会議が終わる時間が近くなれば、彼の好きな茶葉を選んで紅茶を作り始めた。
いつも彼の紅茶を入れるのは私の役目だ。シーナの貴族時代に習った紅茶の入れ方が、こんなところで役に立つとは。
小さい時、紅茶の入れ方を習っていた当時は、ただただ面倒で好きじゃないと思っていたが＿。
リヴァイさんが褒めてくれてからは、本当に習っていて良かったと思えるようになった。
綺麗に整えられた質素とも言える部屋。
ぼーっと椅子に座って待っていれば、やがて扉が開いて、少し疲れた様子のリヴァイさんが入ってきた。
「お疲れ様です。…ちょっと遅かったですね？」
リヴァイ「…憲兵の野郎が意味分からん事をほざいたせいで、会議が長引きやがった」
「なるほど、それは大変そうなことで…」
何となくその言葉だけで会議の様子が垣間見えた気がして、私は苦笑いを返す。
「紅茶、入れておきました」
リヴァイ「…あぁ、助かる。しかしその前に＿」
リヴァイさんは会議のために着込んでいたスーツの上着を脱いだ。
その仕草がやけに色っぽくて、思わず目を逸らす。
しかし上着を脱いだリヴァイさんの手は私の顎を捕え、優しく彼の方を向かされたと思えば、こつんと額を合わせてきた。
リヴァイ「…癒せ、Aよ」
至近距離で合うその瞳は、いつもよりも確かな優しさと甘えを孕んでいて。
言葉を返す暇など与えられず、唇を塞がれた。
何度も角度を変えて求められ、息が上がってつい口を開けば、それを逃さぬように口内に侵入してくる舌。
身体に電気が流れるように、ぴりぴりと甘い刺激が身体を犯していく。耐えられず彼の背に手を回し、乞うように彼のそのシャツを掴んだ。
やがて唇はリップ音と共に惜しむように離される。彼のシャツを掴んでいたはずの手も、力が抜けていつの間にかだらしなく垂れていた。
リヴァイ「…A、」
若干上がった息のまま、吐息混じりに囁かれる。
リヴァイ「…俺との関係を周りに言うのは、そんなに嫌か？」
その声があまりにも寂しそうに耳に響いて、言葉の意味を咀嚼するのに時間がかかってしまった。
まさかとは思うが、この人類最強は、
不安がっている＿のだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです！実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました！そちらも読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月14日 19時) (
レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです！ (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 22時
