調査兵団の右翼と左翼【進撃の巨人】 (ページ31)

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疑念ページ31

時は流れ、壁外調査まで後1週間を切ったとき。
私はようやく、リヴァイ班の人と初めて顔を合わせることになった。

リヴァイ「…というわけで、次の壁外からこいつも班員として加わる」

エルヴィンさんとリヴァイさんが考えた私の紹介の仕方は、”独自に特別訓練を受けさせていた調査兵団の候補生”という中々無茶のあるものだった。

話を聞いていたリヴァイ班の3人からも、疑問や戸惑いの雰囲気を感じる。

デノン「…兵長、納得行きません。いくらその兵長のいう”特別訓練”を受けていたからと言って、俺達の班に入れさせるなんて。実績もまだ何も…」

コット「辞めた方がいい、かと…デノン。
実績もまだ何もないその女をこの班に入れることには理由があって＿そして、その理由を要は”聞くな”ということですよね？兵長」

「…！」

コットさんがかなりの頭脳派だと言うことはリヴァイさんから事前に聞いていた。でもまさか、こんな一瞬で私が”訳あり”だと勘づくなんて。

リヴァイ「…そう言うことだ」

痛い視線が突き刺さる。明らかに何故ここにいるのかと問われるような視線だった。

「足を引っ張らないよう、頑張ります」

デノン「当たり前だろうがそんなの。特別訓練を受けていたとか何だとか知らないが、俺達の班に入るからには心してかかれよ」

デノンさんの視線に圧を感じて身体を縮こめると、フェンメルさんがデノンさんの二の腕をぽんと拳で軽く叩いた。

フェンメル「ごめんごめん、A。こいつ、早くにリヴァイ班入ったAに嫉妬してるんだよ。根は悪い奴じゃないんだけどさ、」

デノン「おいやめろよフェンメル！…おいガキ、別に嫉妬とかじゃねぇからな」

「は、はぁ…」

仲良さげな2人の絡みに呆気を取られていると、フェンメルさんはにこやかに私に手を差し出した。

フェンメル「君にどんな事情があったにしろ、今日からは同じ班で戦う仲間だからね。頑張ろう」

…差し出された手を、握るべきなのだろう。
こんなにも優しく笑って手を差し出してくれてる彼の手を無視するなど、有り得ない。

震える手を何とか差し出そうとした時、リヴァイさんが私の名前を呼んだ。

リヴァイ「A…そろそろエルヴィンのところに報告に行くぞ」

「え？あ、…分かりました」

そのおかげか、フェンメルさんは自然に握手を求めていた手を下ろした。
…リヴァイさんは助けてくれた、のだろうか。

不思議に思いながらも、部屋を出てくリヴァイさんの後を追った。