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ハンジ「…確認してきたが、ビンはしっかり銃によって打ち砕かれていたよ。それも、かするとかじゃなくてど真ん中を抜いてる」
一度中断して、私が打ち砕いたビンの数々を近くまで確認しに行ったハンジさんは、戻ってきてそう伝えた。
ハンジ「本当に独学なのか疑うレベルだ…。
A。さっき、これくらいは”簡単だ”と言っていたけど＿どの程度までなら狙撃出来るんだい？」
「＿＿そうですね、この弾は飛距離が短いので、そう遠くまでは出来ないですが＿正確性なら自信があります。
例えば…」
私はまだ半分ほど残ってるビンの、一番左手端にあるビンを撃ち抜いた。
硝子が砕ける鈍い音が、遠くから聞こえる。
「＿今、ビンに書いてある【ワイン】の文字の、”ワ”と”イ”の間を抜きました。恐らく正確に撃てているはずです」
ハンジさんとミケさんは唖然としたように顔を見合わせ、2人で小走りをしてビンを確認しに行った。
ハンジ「本当だ＿＿正確に撃ち抜いてる」
若干ばかり、周りの空気が緊張したものに変化しているのを感じる。
私が”悪魔”と称され、怖がられていた時に周りから感じる雰囲気と、よく似ていた。
＿やはり、私のこの能力は人を怖がらせてしまうのだろうか。
ハンジ「じゃあ、次はナイフ＿対人形式で腕前を見せてもらいたい。お互いナイフを持って、相手の手からナイフを床に落とさせた人の勝ちだ。
相手はミケの予定だったんだけど、…大丈夫そう？」
「…分かりました」
ハンジさんからナイフを渡され、ミケさんの前に立つ。実際こうして向かい合うと、よりミケさんの身長の高さを実感した。
ハンジ「よし、準備できたね。じゃあ＿始め！」
ハンジさんの合図を皮切りに、ミケさんは私に向かってナイフを突き出してくる。
それをかわし、私はナイフを宙に＿ミケさんの丁度頭上になるよう投げた。
ミケ「な…っ！？」
ミケさんは驚愕し、頭上を見上げる。その間、ミケさんの動きが一瞬止まった。
それを見計らって、ミケさんの足を思い切り払う。小柄の私には、大柄のミケさんを払うのは普段なら難しいのかもしれないが、頭上に気を取られていたせいで隙をつけたのか、簡単にミケさんは体勢を崩した。
体勢を立て直される前にもう片方の足も払うと、ミケさんの背中は完全に床に吸い込まれていく。倒れていく瞬間に、私はミケさんの手に持ってるナイフを蹴りあげた。
ミケさんのナイフが床に転がり、私は頭上から降ってきた自分のナイフの柄を掴む。
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 17時
