調査兵団の右翼と左翼【進撃の巨人】 (ページ17)

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◆ ページ17

(リヴァイside)

Aの部屋を出ると、ちょうど食堂から言った通りパンとスープを運んできたハンジが、部屋から出てきた俺に驚いて目を見開いていた。

ハンジ「あれ、もう終わったの？」

リヴァイ「…これは、時間がかかりそうだ」

Aの抱えているモノは、予想以上に大きく、簡単には触れられないほど繊細なのだと悟った。

ただ、苦しそうに俺の名前を呼ぶ姿が、
俺に”助けてほしい”と乞うているようで。
何とかしてやれないか、なんて漠然と、無責任極まりないようなことを考えていた。

しかし今日はもう終わりだ。踏み入り過ぎた感覚がさすがの俺でもある。
何も、調査兵団に身柄を置いているのだから、焦る必要はない。中央憲兵の口封じにも成功したんだ。

リヴァイ「ハンジ、Aに抗不安剤を飲ませてやれ。…それから、身体にある傷の手当てを頼む」

Aが顔をあげたとき、痩せ細ってぶかぶかになってしまっている服の首元から少し肌が見えた。
その白い肌は、見るに耐えない赤黒い痣で埋まっていたのだ。

Aがあんなにも怯えてるのもきっと、そこに関係があるはずだ。

ハンジ「え、何？脱がせたの？」

リヴァイ「あ？チッ…違ぇよ、いいからさっさとAに飯を届けて手当てをしろ」

ハンジ「あぁ分かったよ、ごめんごめん。
それで、Aについて聞き出せたことはあったの？」

リヴァイ「それは後からエルヴィンも含めて話す。まぁ特に聞き出せたことはねぇが、…ある程度分かってきたことはあるからな」

ハンジ「よく分かんないけど、とにかくこの行動に意味はあったってことだね？私もAの手当てをしたら団長室に行くから、先に行っててくれ」

リヴァイ「あぁ、言われなくとも」

Aから引き出せたことは特にない。だが、分かったことはいくつかあるだろう。

ハンジがAの部屋に入ったのを見届けてから、再び団長室へと向かった。