◆ ページ13
(リヴァイside)
ハンジ「ちょっとリヴァイ！何しに行くつもり！？今何の意味もなくAのところに行ったって、警戒をさらに強めるだけじゃないの！？」
後ろからハンジの声が追ってくる。
俺だって、何でAのもとに向かおうとしてるかなんて分からない。
俺は昔から面倒事は避ける質だ。
それも、特に自分にとってプラスにならないことならば尚更。
身辺調査によれば、Aはまだ15歳らしい。
そんな世間もロクに知らねぇような年齢の奴が、一丁前に俺に殺してと懇願しやがった。
そんなことになっちまうくらいの”何か”が、Aを未だ支配する”何か”が、あるはずだ。
さっきの身辺調査書には、その”何か”が垣間見えた気がした。
Aをここに連れてくる時、地下街で。
お前は自由だ、何て、軽率な言葉を吐いた。
もちろんそれは、Aを調査兵団に連れてくるための甘い誘惑にしか過ぎない。
だが、そんな自分勝手な都合で吐いていい言葉ではなかったのではないかと、思い始めていた。
自由になれますか。そう問うたAに肯定の返事を返した以上、Aをしがらみから救い出す責任が、俺にはあると思った。
あの時どういう気持ちで言ったのかすら図りきれなかった俺に、Aに対して何が出来ると言われれば答えられない。
リヴァイ「…とりあえず、飯を食わせる。あいつに、ここは危ねぇ場所じゃないと、示す必要があるだろ。こっちが信用してくれと一方的に言ったところで平行線だ。信用してほしいなら、信用を勝ち取る行動をこちら側が示すべきだろ」
ハンジは頭に手を当てて、一瞬思考した後、溜め息をついて「分かったよ」と呟く。
ハンジ「Aと接触できたのは君ただ1人だ。
会話を出来たのもね。私にはAはどんな子なのかよく分からないし、どう接してほしいのかもよく分からない…。
だからとりあえずは君の判断に任せるけど、Aは一応兵団内では”危険人物”扱いだ。銃やナイフも押収はしたけど、隠し持っていないとは限らない。
Aが完全にこちら側の味方だと証明されたわけでもない…。
もしかしたら、隙を見計らって私達を殺すかもしれない」
リヴァイ「だからこそ、俺以外に適任はいねぇ。
Aがもしおかしな行動をした時は俺が押さえる。元々、エルヴィンの野郎はそこまで見計らって俺に捕獲を頼んだんだろ」
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 17時
