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ゴリゴリという嫌な音を聞かないように、目をつぶって走る。本当は全てを投げ出してしまいたかったけれど、デノンさんやコットさんの死を、私が無駄にするわけにはいかない。
「はぁ、はぁ…っ！」
地面に足を取られ、そのまま崩れ落ちるように倒れ込んだ。足がじくじくと膿んで血を流している。
立ち上がろうとした時、後ろの巨人の蠢く音が聞こえた。
＿＿だめ。私にはまだ、やることが＿＿！
その時、私の頭上を最高速で何かが通り過ぎる。
深緑のマントがひらりと舞い、目を見開いた。
「リヴァイさん…」
走り来る巨人をものともせずそのままうなじを意図も簡単に削いだリヴァイさんは、怪我をしている私を見て目を見開いた。
私の元へ来ようとするリヴァイさんから目をそらす。彼に、合わせる顔がない。班員を殺した。他でもない私が、だ。
私の目の前に着地したリヴァイさんが先に口を開いてしまう前に、俯いたまま私が呟いた。
「ごめんなさい…。ごめんなさい、…」
何を言われるかと目をぎゅっと瞑ったが、リヴァイさんは私に何を言うこともなく、自身のマントをふわりと私にかけた。
リヴァイ「…立てるか？」
リヴァイさんは私に、右手をそっと差し出す。
私はその手を握らず、ふるふると首を横に振った。
それと同時に、ずっと塞き止めていたものが溢れ出して両目から熱い水滴が大量に流れ落ちる。それをリヴァイさんは黙って、私の身体を抱き締めた。
「私のせいで…っ、私を庇って、ふたりは…。
ごめんなさい。もっと、冷静な判断が出来ていれば＿＿そもそも私がこんな怪我を負ってなければ」
リヴァイさんは私の言葉に、何も言うことは無かった。ただ私が後悔の念を口にする度、リヴァイさんの私を抱き締めている腕に力が入っていった。
リヴァイ「もう、謝るな＿＿。誰かが死んで、誰かが生きる。壁外はそういう場所だ」
リヴァイさんは私をもう一度だけ強く抱き締め、「捕まっていろ」とだけ言って私を抱き止めたまま立体起動で皆の元へと戻っていった。
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月29日 19時
