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どれくらい経過したのだろうか。左端にあった雲が、視界の中間ほどまで来た時、隣の木の枝にいたコットさんが私の隣に降り立つ。
コット「奇行種だ＿走ってくるぞ」
デノンさんも私たちの元へ来て、刃を抜いた。
コットさんの言う通り、まだ豆粒くらいの奇行種と思わしき巨人は凄い速さでこちらに向かって走ってきている。
「森に入るまで待って、私が足首を削ぐのでその後デノンさんがうなじを削いでください。コットさんは少し離れたところにいて、何か変化や異変があれば声をかけてください」
もう既に奇行種はすぐそこまで迫っていた。かなりのスピードだ。私が足首を削ぐタイミングを間違えれば大惨事になりかねない。
デノン「了解だ…お前は肩の力を抜け」
デノンさんの言葉に頷きながら、深呼吸をして＿、刃を引き抜いた。
…まだ。後少し。
じりじりと、命を奪うタイミングを図る。
「…あと3、…2、…1、＿0！」
私の合図で飛び出し、私は急降下、デノンさんはうなじを狙うために高く舞い上がった。
奇行種はおよそ13m級、表情を変えることなく直進し続けている。
よくある大勢の人間にひかれるタイプの奇行種ならばそのまま走り去ろうとするはず。そこを私が削ぐ。そう、思っていたが。
コット「避けろ！！」
コットさんの大声と共に、巨人の足が私の目の前に現れた。
「…っ！」
何とかアンカーを差し直して足を避け、一旦コットさんの元へ着地する。
「一体何が！」
コット「分からない…が、俺達を喰らうつもりらしい」
巨人の方を見やると、そのままうなじを削ごうとしてアンカーを差すデノンさんの姿が目に入った。
「待って！！危険です！」
そのまま刃を突き立てようとするデノンさんに、巨人が大きな口を開けてデノンさんの方へ口を向ける。その光景がフェンメルさんの時と重なった。
「…っデノンさん！」
いつの間にか飛び出していた私はデノンさんの方向へ飛び、そのまま彼の身体を突き飛ばした。
間一髪デノンさんは巨人の大きな口から逃れられたものの、急いでいたせいかアンカーの差しどころが悪かったのか、私のワイヤーとデノンさんのワイヤーが絡まり、そのまま落下した。
「デノンさん！無事ですか！？」
地面に打ち付けられ直ぐ様身体を起こそうとすると私の足が痛んだ。
「…っ」
痛んだ方の足を見ると、コットさんに撃たれた傷口が、今地面に打ち付けられたことで開いて、そこら辺に私の赤い血液が広がっていた。
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月29日 19時
