18 箱入り娘の夏休み。 ページ18
…
「ナツマツリ？」
｢そ。Aはなんにも外の遊びしたことないって言うから、夏っぽいことしようってなったわけ｣
ここら辺はお盆の前にやる地域も多い。
パンダがそこで1度話を止めると、距離を少し開けたAは不安そうに3人を見ていた。
｢……でも、私、外には出れないよ。車ならともかく、電車だなんて……嬉しいけど、ごめ｣｢ああ悪い。最初にこの話をするんだった｣
申し訳なさそうに断ろうとするAの言葉を遮って、真希が白い紙をペラリと見せる。
｢これ、呪符な。お前の力軽減させてくれるんだってよ｣
そう言って机にポンとそれを置かれる。
｢え、、そんな……いいの？｣
呪いについてもイマイチよく分かっていないAは、不安そうに3人をみあげる。
｢ああ。折角だし楽しもーぜ｣
花火大会だとよ、なんて真希が笑う。じんわりと胸が温かくなって、気をつけないと涙が出そうだった。
｢ありがとう｣
｢ま、提案したのは棘だけどな｣
なあ、なんて真希がちょっといたずらっ子のような笑いを狗巻に向けると、狗巻は｢しゃけ｣との一言と両手でピースした。
｢狗巻くん、ありがとう｣
へへ、なんて間の抜けた笑顔で声をかけると、ワンテンポ遅れて｢すじこ｣なんて返ってきた。
❁❁❁
｢お、今日か。夏祭り｣
暑そうにしてる五条先生と鉢合わせる。
｢はい。お出かけ……してきます｣
すこし緊張した声でそういうと、五条先生はうんうんと嬉しそうに笑って私の頭をポンポンと軽く叩いた。
｢楽しんでおいで。学生のうちは遊んどかなきゃ｣
『──いいか。これはお前の力を抑えるとはいっても万能じゃない。絶対に失くすなよ。それから、回数制限がある』
真希ちゃんの言葉を思い返しながら、五条先生にもお礼を言う。
｢先生、ありがとうございます。この呪符……大事にします｣
｢可愛い生徒の為だもーん、こんなのちょちょいだよ。さ、気をつけてね。みんな待ってるでしょ｣
｢はい｣
お土産持ってきますと言うと、楽しみにしてると返ってきた。
夏祭りはなんとなくのイメージでしか無いので、詳しいことは分かっていなかった。
｢よし、Aも来たし行こうぜ｣
真希の声掛けに答えて、新しい浴衣と下駄でみんなを追いかける。
───
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (
レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか？ (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみず2 | 作成日時：2021年2月23日 21時
