19 箱入り娘の夏休み。2 ページ19
…
『周りのヤツがお前の方向に歩いてきても弾かないのはずっと有効だが、意志を持って寄ってくるやつは別枠だ』
Aは呪符を貰った時のことを反芻していた。
『お前から触れようとしたり、相手から触れられた場合、この呪符はお前の抑制力次第だ』
『抑制力、次第……』
そうだ、と真希は続ける。
『これは対お前用に作られたものじゃないからな。ちょっと手を加えて応用してるだけだから、駄目になるのも早い』
そう言っていくつか条件を出された。
守れるか？ なんて小さな子供相手に諭しているように言うものだから｢もちろんできるよ！｣と答えた。
『あとは、迷子にならないように』
それで大丈夫だろ、と真希が笑う。流石にそこまで子供じゃない、と反論したが取り合っては貰えなかった。
そんなこんなで、Aはみんなに迷惑をかけている申し訳なさはありつつも、初めての世界にわくわくドキドキしていた。
｢あれがわたあめ？｣
｢そう。買うか？｣
｢うん！｣
すっかりご機嫌でパタパタ走っていくA。
──来たばかりの時は真希の後ろをひっついて歩いて、幽霊屋敷に来たかのようだった。自分の近くを人が来る度に｢ひっ｣なんて声を上げていたが、ここに来て数時間でだいぶこの感覚に慣れたようだ。
夕方頃から来ていたのに、当たりはすっかり真っ暗。Aはやはり初めて見るものばかりなようで、どれをとっても目を輝かせて尋ねる。
｢これは？｣
｢金魚すくい。やるか？｣
｢んん……やめとく｣
彼女はやはりわずかでも生き物に触れてしまいそうなものは避けた。
｢じゃ、私がやる。見てな｣そう言って代わりにお金を払って腕まくりをする真希。
｢うん！｣
この後、真希は器いっぱいに金魚を掬いに掬ってしまって、屋台の店主を泣かせたとか。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (
レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか？ (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみず2 | 作成日時：2021年2月23日 21時
