30 やりたいこと。3 ページ30
…
「真ー希ーちゃん」
「うわっ、なんだよ」
真希ちゃんは帰ってくるなりそれだけ言って、げえと呆れ顔。
「んふふ、真希ちゃん」
「……なんだよ」
本当は真希ちゃんを抱きしめたいけど、それはできないので代わりにクッションをぎゅうぎゅう抱きしめていた。
呆れた声でそんな返しをしたって、ちょっとキツめの言葉だって、今ならもう全部優しさだってわかった。
人一倍優しいこの人たちに、自分は何が返せるだろう。
凍っていた心ごと陽だまりに連れ出してくれた先生にも、その陽だまりに居場所をくれた皆にも。
「ほら、見るんだろ。リクエストのやつ借りてきたから」
準備は万全。明日は映画鑑賞会だ。
❁❁❁
次の日。
五条先生も誘ってみたけれど、先生は地方への任務らしい。
流石は特級呪術師……なんて思いながら、プレッツェルは残しておいてあげようとAは思った。
『えー! Aったらまーたお菓子作ってんの! いいなぁ、僕にもちょーだい』
任務行きたくなくなっちゃうよーと言いながらウダウダしていた彼を、はよ行けやと背中を蹴った人がいます。(真希ちゃん)
……(嘘泣きだけど)泣きながらドアを開けた先生、ちょっと可哀想だったな。
──五条先生はドが付くほどの甘党らしい。
お菓子を作ってる時も、ひょっこり現れて「いい匂いがした!」 とか言ってつまみ食いしに来る。
え、任務いつ行ったの?と思うのはしょっちゅうだけど、尋ねてみれば大体の答えは「さっき終わって帰ってきた」
特級呪術師ってこわい。
「さて、何から見る? A」
「え! 私が決めていいの?」
きょとん、とするAに真希は笑う。
「当たり前だろ。お前がやりたいって言ったんだからな」
ほら、とツ○ヤのレンタル袋を開いて見せる。
「あっ! これがいい!」
んー、と暫く悩んだ末にAが選んだのはジプリの「ぬこの恩返し」だった。
「パンダは出ないのか?」
「パンダみたいにでっけぇ猫は出るぞ」
「真希ちゃん見たことあるの?!」
「まーな」
……ちょっと意外だった。
メルヘンなこの物語の内容を知るメンバーは後にそう語った。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時