14 お願い ページ14
…
「魑魅」
──いや、でも強いかもって七海さん言ってたな。魑魅だけでは不安だ。
「句句廼馳」
呪霊を木の枝が絡めて固定する。そこに魑魅が走っていく。普段より時間はかかったが攻撃はちゃんと届き、消滅したのを魑魅が感知する。
暫く2人で倒し続けて、七海さんはふぅと息をついた後、夜が明けていく。
「今日の任務はこれで終わりですね」と声をかけてくれた。お疲れ様でした、と七海さん。
「ありがとうございました」
ぺこり、と頭を下げると「ゆっくり休んでください」と優しい声で言ってくれた。
「はい! 七海さんも」
高専について、それでは とドアを開けた。私は車が見えなくなるまで、見送っていた。
❁❁❁
「お菓子を作りたい?」
「はい。難しいですか?」
帰ってきてすぐ「あ、おかえりー」という声がして、五条先生と会うことが出来た。思いっきり出来心からの提案をしてみると、不思議そうに頭を傾げられた。
「お菓子作り、興味があって……出来るなら作ってみたいんです」
家にいた時は不用意に動くことはできなかった。なんせこちらに歩いてきたひとすべてに危害を加えてしまうから。
大人になったら呪術師になるとして、忙しくてお菓子作りなんて暇はないだろう。
「うん、大丈夫! 厨房とか好きに使いな」
少し考える仕草をしたけれど、すぐに答えを出してくれた。逆にこっちが不安になる。
「何か作るの?」
「はい。任務とかでお世話になってるので……」
まだ作ったこともないので、向いてないと思ったら直ぐに辞めると思いますけどねと加えると、
「いいじゃんいいじゃん、上手くいったら僕にもちょーだい」なんてちゃっかりお願いされてしまった。
「頑張りますね」
と笑うと、先生はうん、と何処か満足そうな笑みで答えてくれた。
「早速明日から使っていいよ。僕が伝えておくから」
「わあ、ありがとうございます!」
そう言われるとソワソワしてきてしまう。それが伝わったのか、五条先生はちょっと笑うと、「じゃあ、お休み」と手をヒラヒラさせながらどこかへ消えていった。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時