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幼馴染み 健永ツアー編 3 ページ40

Aside


朝起きても私の右手は、健永の左手と繋がれたままだった。




私はその手をゆっくり外すと、布団を抜け出してキッチンへと向かった。




健永を起こすまで、後一時間。




私はシャワーを浴びて目を覚ますと、朝食の準備を始めた。




パンを焼いて、サラダとベーコンエッグを作り終えて、コーヒーを淹れていると、目を覚ました健永がキッチンにやって来た。




健永「おはようA。」




未だ眠そうな健永は目を擦りながら、コーヒーをマグカップに注いでいる私の後ろから、私の腰に腕を回すと、私の肩に顎を乗せた。




「おはよう。
もう少しで用意出来るから、目覚ましにシャワーでも浴びてきたら?」




私がそう声を掛けると、




健永「うん、そうするね。」




そう言って健永は、腰に回していた腕を外すと、バスルームへ向かって行った。




私が全ての仕度を終える頃に、丁度健永がシャワーから上がって来た。




私がいつもの席に腰を下ろすと、健永も自分の席に腰を下ろした。




こんな風にゆっくり朝を過ごしたのは、久しぶりだ。




最近色んなお仕事が入って、忙しくしている健永だから、二人が会う時間は、以前に比べるとかなり少ない。




勿論、楽しそうに仕事の話をしてくれる健永を見ていると、私まで嬉しくなってくる。




二人で視線を合わせると、同じタイミングで手を合わせた。




「「いただきます。」」




二人の声を合図に、一緒に食べ始めた。




健永「・・・Aの料理って、本当に美味しい。」




「有り難う。」




好きな人の褒め言葉は、やっぱり嬉しい。




健永「・・・横尾さんも、料理が上手いんだよね。
宮田のアニメの知識も凄いし・・・ニカのライブの演出は知識と拘りが凄いし・・・。」




そう言うと、健永は小さく溜め息をついた。




「どうしたの?」




その様子に心配になり、そう声を掛けた。




健永「俺は・・・何が出来るんだろう。」




ポツリとそう呟いた。




「健永のダンスは凄いじゃない。
振り付けだって出来るし・・・」




健永「それは・・・ダンスは好きだよ。
振り付けだって、やってて楽しいし。」




健永の様子から、私に求めていた答えは違うものだと分かった。




「・・・健永は、何をそんなに気にしているの?」




私は、"健永が私に求めている事"が知りたくて、正直に聞いてみた。




私の言葉を聞くと、彼は俯いていた顔を上げ、真っ直ぐな視線を私に向けた。

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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時

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