私の幼馴染みその後３ (ページ38)

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幼馴染み健永ツアー編１ページ38

Aside

今日はツアー準備中で忙しい筈の健永が、久し振りに晩御飯を食べに我が家に来た。

「ねぇ健永。本当にこんな物で良いの？」

今日のメニューは、健永が来る前にリクエストのあったポトフだ。

健永「何だかAの作ったポトフが、無性に食べたかったんだよね。」

そう言うと健永は、ダイニングの椅子に座り、嬉しそうにポトフを食べ始めた。

健永が食べ始めたのを見て、私も席に付いて食べ始めた。

確かにポトフは、私が好きなメニューだ。

"だけどツアーを控えた今だから、健永の為に元気の出る料理を作りたいと、気合いを入れていたのにな。"

そんな事を考えて、無言になっている私に気付いた健永が、

健永「身体が疲れている時は、優しい料理がたべたくなるんだ。」

そう言って、私に声を掛けた。

「・・・本当に？」

私に気を使っているのかと不安な私は、健永に聞いてみた。

すると、眩しいくらいの笑顔の健永が、

健永「スタミナ付けたいなら、ミツやニカ達と焼き肉食べに行けば良いけど、疲れが溜まり過ぎるとAと一緒に、Aの作った料理が、食べたくなるんだよな。」

そう言って笑った。

「そうなの？
私の料理で健永の疲れが取れるなら、何時でも作るから言ってね。」

私がそう答えると、

健永「有り難う。」

そう言って私の髪を、優しく撫でてくれた。

それから二人で、食事中に色々な話をした。

毎日電話で話していても、やっぱり健永と話す時は、話が尽きる事が無い。

私は健永のどんな些細な事も知りたいと思うし、私の事も健永に、知って欲しいと思ってしまう。

食事を終えて、シャワーを為に浴室に向かった健永に、着替えを持って行った。

健永「A。」

健永に呼び止められた私が、出て行こうとしていた足を止めると、

健永「何時も有り難う。」

健永が一言、私に向かってそう言った。

突然の事に"どうしたの"と聞くと、

健永「急に言いたくなっただけだよ。」

そう答えが返ってきた。

何だか不安になったけど、

「どういたしまして。」

そう答えて、私はバスルームから出て行った。

後片付けをしていると、シャワーを終えた健永が、リビングのソファーに腰を降ろした。

片付けを終えた私は、冷たい水の入ったグラスを手に、健永の傍に腰を降ろした。

健永はグラスの水を飲み干すと、テーブルに置いた。