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幼馴染み 高嗣ツアー編 9 ページ37

高嗣side


電話に出たAは、明らかに機嫌が悪かった。




だけど俺は気付かない振りをして、いつも通りにAの家に行く約束をした。




文句を言いながらでも、世話好きなAはご飯の準備をしてくれる。




Aの家に着くなり、機嫌をとる為に途中で買った、彼女の好きなアイスを直ぐに手渡した。




その足でバスルームに向かえば、浴槽にはお湯が張ってあり、いつもの場所にバスタオルと着替えが用意されていた。




「分かってんじゃん。」




そう呟いて、俺はお風呂に入った。




お風呂から上がれば、ちゃんとご飯の用意が出来ていた。




"俺の彼女、マジで良くできた彼女だよな。"




そう思うと、俺もAに何かしてあげたくて、彼女がバスルームに行った間にドライヤーを用意して、Aが出てくるのを待った。




それなのに結局Aに疑われて、変な空気になったまま、Aは寝室に行ってしまった。




"このままじゃ、俺が来た意味ないじゃん。"




そう思い寝室に向かうと、既にAは眠っているようだった。




ちゃんと話そうと思っていた俺は、眠っているAを見て気が抜けたけど、やっぱり想いを言葉にしたくて、頭を撫でながら俺の気持ちを口にした。




すると眠っている筈のAが、




A「・・・大丈夫だよ。
ちゃんと分かっているから。」




そう返事をした。




眠っていると思ってたから、めちゃくちゃ驚いたけど、結局のところ俺は、Aには敵わないみたいだ。




結局Aには、俺の行動も気持ちも見透かされているようだ。




"こんな恥ずかしいのは、今だけだかんな。"




言葉では好きとは言えなかっかけど、Aにはちゃんと伝わってる筈。




Aを抱き締めて眠りにつけば、翌朝はスッキリした気持ちで目が覚めた。




「栄養ドリンクや点滴より、Aの方が効くんじゃね。
マジ万能じゃん。」




あまりの感動で、思わず呟いてしまった。




俺だって長い付き合いだから、Aの考えている事が分かることだってある。




目の前のAが、昨夜の俺を期待していることは分かるけど、そう簡単に成れるわけがない。




勿論、昨夜と違ういつもの俺に、Aが落胆しているのもちゃんと分かっている。




期待されても、そんなに毎日出来ないから。




だけど、これだけは約束するよ。




"俺はAに幸せになって貰えるよう、
毎日頑張るから、期待しててよね。"

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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時

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