幼馴染み 高嗣ツアー編 1 ページ29
Aside
最近の高嗣は、凄く勉強熱心だ。
勉強と言っても、勿論学問の方じゃない。
ライブ構成や照明、舞台装置の方だ。
去年から、北山さんに任されたライブ構成。
千賀君と二人、色々と頭を悩ませていた。
藤北信者の千賀君。
うちの高嗣も信者だから、去年のライブでの絡みは、ツアー終了後にかなりの熱量で語ってくれた。
多分ツアー前から、話したくて仕方無かったであろう高嗣。
だけど彼女とは言え、大事なライブ構成は"企業秘密"。
簡単には話してくれない。
別に聞いたからと言って、他人に話したりしないけど、そこに拘る高嗣の事を、私は結構尊敬している。
"信用されて無いようで、寂しくないか"。と、高嗣のお姉ちゃんに聞かれた事が有るけれど、そんな真面目な高嗣の事が、実は私は大好きだ。
長い付き合いだから分かる事。
高嗣にとって、メンバーやファンは特別な存在。
例え彼女の私でも、その領域には入ってはいけないんだと分かっている。
だからライブが始まる前に、私が内容を知っていると言う事は、絶対有ってはいけない事なんだと思う。
何時もは北山さんに意見を聞きながら、提案している立場だった高嗣にとって、自分が決めていくことは、かなりのプレッシャーだったみたいだ。
勿論千賀君も居て、高嗣一人が背負っている訳じゃないし、北山さんも相談に乗ってくれたりしているみたいだけど、
宏光「お前達が思い描いているものを、自信を持って遣れば良いんだ。」
そう言って二人の提案を、暖かく見守ってくれていたらしい。
高嗣にとって北山さんは、本当にお兄ちゃんの様な存在なんだと改めて感じたし、北山さんにとっても、高嗣は可愛い弟の様な存在なんだと言う事は、高嗣の話からよく分かった。
勿論、色々な評価や意見が有るのは分かっているけど、頑張っている姿を見ていた私には、十分楽しいライブだった。
だって高嗣ファンの私でも、藤北さんの絡みは悲鳴モノだったもん。
あまりに興奮し過ぎて、観に行ったその日に高嗣に電話したら、
高嗣「そんなに喜んで貰えたら良かったけど、ガヤとミツには、Aは会わせられないな。」
そう言って笑ってた。
「大丈夫だよ。私には高嗣が一番だから。
だからいつか、絶対に二人に会わせてね。」
そう冗談のつもりで言ったら、
高嗣「・・・絶対ヤダ。」
って、言われちゃった。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時