幼馴染み 裕太ツアー編 14 ページ28
裕太side
買い物から戻って来たAが、薬を飲ませて汗をかいた身体を拭いてくれた。
そして俺を着替えをさせると、ポカリを飲ませてくれた。
汗をかいて気持ち悪かったから、お陰で再び眠りに就くことが出来た。
暫くすると、俺はいつの間にかリビングに居た。
テレビにはこの間収録した、バラエティー番組をやっていた。
"このテーマ、Aと一緒に観るの超気まずいんだけど。"
そう思ってAを探すけど、何処にも居ない。
諦めてソファーに座っていると、大きなバックを持ったAがドアの前に立っていた。
A「やっぱり私・・・もう裕くんの傍には居られない。
・・・ごめんね、さようなら。」
そう言うと、ドアに向かって歩き出そうとした。
だから、俺は慌ててAを呼び止めようとするけど、声が出ないんだ。
追い掛けようとした時に目が覚めたんだけど、その時偶然に部屋を出ようとするAの姿が目に入って引き留めた。
そして日頃から不安に思っていた事を、Aに打ち明けたんだ。
「我慢ばかりさせてるから、Aが俺の事が嫌になったのかと思った・・・。」
そんな俺に、
A「私が裕くんを嫌になる?
そんな事、絶対無いよ。」
真っ直ぐに俺を見て、そう言ってくれたんだ。
結局のところ、俺はAの事が大好きで、Aの掌の上で、上手に転がされているんだ。
ほら、やっぱり俺の我が儘も、ちゃんと受け入れてくれる。
そして俺が捲った布団に、文句を言いながらもちゃんと入ってくれる。
だから俺は、そんなAを"ぎゅっと"抱き締める。
「抱き心地、最高。」
そう言って抱き締めたまま、俺達は眠りについた。
勿論翌日には、俺の体調はすっかり良くなった。
そしてライブ当日。
弟と杏里とAを、会場で目にしてしまう。
婚約をした達也と杏里が、観に来る事に便乗して、杏里の妹として一緒に観に来たと、Aから後で聞いた。
何も聞いていなかった事と、初めてAが観に来た事に、俺は焦っているのに、Aを見ると悪戯っ子の様に笑っていた。
心配性で気にするくせに、芯が強くて負けず嫌い。
そんなAに振り回される人生も、もしかしたら"楽しいかも"と思ってしまう俺って、完全にAの思い通りなのかもしれない。
でも今が幸せだから、
"まぁ、良いか。"
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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時