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幼馴染み 裕太ツアー編 5 ページ19

Aside


不機嫌な裕くんは、黙ったまま車を走らせている。




私が裕くんになんて話し掛けようかと悩んでいると、ルームミラー越しの裕くんと目が合ってしまった。




慌てて目を反らした私に、裕くんが再び溜め息を付いた。




私はどうして良いのか分からず黙っていると、裕くんのマンションに着くまで、裕くんも黙ったままだった。




そんな空気に耐えきれず、




「ごめんなさい。」




そう謝る私に、




裕太「何でAが謝るの。
・・・違うから。Aに怒ってる訳じゃないから。」




そう言うと裕くんは、頭を抱え両手で髪をぐしゃぐしゃにした。




裕太「俺自身に、怒っているだけだから。」




裕くんの言葉の意味が分からなくて、黙り込んでいる私。




裕太「あーっ。
だから・・・Aは、何も悪くないから。
俺が勝手に、自分自身に怒っているだけだから。」




裕くんの言葉を聞いて、何も言えず困っている私に、




裕太「Aは俺の為に、買い物に行ってくれたのに・・・。
俺はAが家に居なかったくらいで、八つ当たりするなんて・・・ごめん。」




項垂れる裕くんが可愛くて、思わず笑みが溢れてしまった。




その声に反応した裕くんが、




裕太「笑うなよ。
俺だって、自分がカッコ悪いって分かってるんだから。」




裕くんが、拗ねた様にそう言った。




「別に裕くんの事、カッコ悪いなんて思ってないよ。」




私の言葉に、




裕太「無理しなくて良いって。
だってA、笑ってたじゃん。」




こんな風に拗ねてる裕くんは、女の子の私よりずっと可愛い。




「無理なんてしてないよ。
だって裕くんは、私が居なかったから心配してくれたんでしょ。」




裕太「別に心配なんて・・・」




そう言うと、口を尖らせて照れてる裕くん。




「有り難う。嬉しい。」




私が素直な気持ちを伝えると、




裕太「早くシャワー浴びたいから、もう降りるよ。
Aも疲れてるんでしょ。」




言い終わると同時に、裕くんは車のドアを開けて降りると、エレベーターに向かって歩きだした。




私が慌てて降りると、裕くんは振り返り鍵を掛け、




裕太「早く。」




そう言って、私に手招きをした。




私が裕くんに向かって走り出すと、




裕太「転けるなよ。」




そう言って、クスクスと笑った。




こんな風に裕くんと一緒居られる幸せを、私は改めて噛み締めていた。

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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時

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