幼馴染み 俊哉ツアー編 7 ページ12
Aside
俊哉「俺は姉ちゃん達だけじゃなく、Aにも幸せになって欲しいって思ってる。」
急に真顔になった俊くんが、私にそう言った。
突然の事に驚いた私が黙っていると、
俊哉「俺は何時だって、そう思ってるよ。
Aには、幸せになって貰いたいって。」
"なって貰いたい"って・・・。
"俊くんが幸せにしてくるんじゃないの?"
そう言いたかったけど、俊くんの答えが怖くて口に出せなかった。
尚も黙ったままの私の手に、俊くんは自分の手を重ねた。
そして私をじっと見つめると、
俊哉「俺以外の人が、Aの隣に居るのは嫌だから・・・だから今すぐには無理だけど、・・・必ず俺が幸せにするからもう少しだけ待っててくれる?」
そう言った後、言葉とは裏腹に自信の無さそうな顔をした。
そんな俊くんを安心させたくて、目一杯の笑顔で答えた。
「大丈夫だよ。ちゃんと幸せにして貰ってるから。
でも・・・私一人だけじゃないけどね。」
私の言葉が理解出来ないみたいで、俊くんは分かり易く困った顔をしている。
だから私も、俊くんの目を真っ直ぐに見て答えた。
「私だけじゃなく、たくさんの人達を7人で幸せにしてるでしょ。」
その言葉で聞いて、やっと意味を理解したみたいで、
俊哉「Aはそれで良いの?」
心配そうに聞いてきた。
「今はそれで十分だよ。
だって・・・何時かは私だけを、幸せにしてくれるんでしょ?」
そう言って微笑めば、
俊哉「任せておいて。」
と、私の大好きな笑顔を向けてくれた。
「先ずは取り敢えず、もうすぐ始まるツアーからかな。」
そう言葉を投げ掛ければ、嬉しそうに、
俊哉「楽しみにしててよ。」
満面の笑みで答えてくれた。
ランチを終えて家に帰えり、着替えを済ませると直ぐにマネージャーのお迎えが来た。
玄関まで見送りに行って、
「行ってらっしゃい。」
と声を掛けると、
俊哉「今年も、目一杯幸せにするからね。」
そう言うと、突然私の腕を掴んで引き寄せた。
俊くんの腕の中に閉じ込められた私が、俊くんを見上げようとすると、強く抱き締めていた腕を緩めてくれた。
「急にどうしたの?」
驚いて様に尋ねると、
俊哉「お姫様に誓いのキスをしようと思って。」
そう言って優しくキスをしてくれた。
"誓いのキスをしたんだから、絶対約束は守ってね、俊くん。"
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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時