幼馴染み 健永ツアー編 9 ページ46
健永side
今度のツアーの構成を、ニカとする事になった。
ニカは今までずっと、ミツとツアー構成をやってきた。
だから今年初めての俺は、一人でプレッシャーを感じまくっていると思っていた。
勿論今までだってメンバー全員で、構成のついて意見を言ったり、提案したりもしてきた。
だけど今までとは違い、ニカと二人がメインで考えるとなると、やっぱり責任重大だ。
正直キスマイでの立ち位置や、すべき事を少しずつ模索している段階の俺には、戸惑いが有った。
葛藤が有ったからこそ、ツアーの構成を任せて貰えた事を嬉しくも思っていたんだ。
正直ところ俺自身の悩みだけなら、ゆっくり考えるつもりでいた。
けれど、ツアーには期限がある。
勿論ダンスの振り付けもさせて貰う事になっているから、何時もより忙しくなることは分かっていた。
ニカとはシンメだし、歳も一緒だと言うこともあって、メンバーの中でもお互いを解り合っていると思っている。
だけどお互いに別々の仕事ぎ入ったり、それに伴う人間関係が出来てくるうちに、俺が知らなかったニカの一面を、垣間見る様になった。
きっとそれはニカにとっても同じで、俺の事で新たな一面を発見する事も有ったと思う。
けれど俺は何も掴めないまま、ただ時間だけが過ぎて行く日々を送っていた。
「結局、何も分からないままだ。」
一人の部屋で漏らした独り言に、自分が行き詰まっている事を自覚した俺は、Aに会いに行こうと思った。
翌日Aの家に着くと、俺の為に色々と準備をしてくれている彼女が、愛しくて仕方無かった。
Aと過ごす時間は、俺を安らぎへと導いてくれた。
ただ黙って俺の手を包み込んでくれるAの両手からは、俺を何時も信じてくれているAの優しさが、伝わってくるのが分かった。
「有り難うA。
・・・焦っても答えは出ないね。」
俺の言葉に微笑むAを見た時、心が軽くなるのを感じた。
今日はこのまま眠りにつきたくて、君と手を繋いで眠る事にした。
最近はなかなか眠れなかった筈なのに、不思議と何も考える事も、途中で目覚める事も無く、朝を迎える事が出来た事に、俺は少し感動さえ覚えた。
そしてAさえ居れば、全て解決してしまう様な気になっていた。
それほど君の存在は、僕にとって特別になっている事が嬉しくも有った。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時