私の幼馴染みその後３ (ページ25)

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幼馴染み裕太ツアー編１１ページ25

裕太side

ツアーが始まった。

服好きの俺は、今年も衣装を担当させて貰う。

俺は服を買い物に行くのも好きだし、勿論観るのも好きだ。

全般的にファッションに関する事は好きだけど、中でもライブでの衣装は、曲のイメージや、メンバー其々のイメージに合わせてデザインも考えるから、やっててとても楽しい。

勿論俺一人で作る訳じゃないし、プロの人がフォローしてくれるけど、自分のイメージが型になっていくのは、本当に楽しい。

出来上がった衣装をメンバーが気に入ってくれたりすると、内心めちゃめちゃテンションが上がる。

だからそんな思い入れの有る衣装を、メンバーが雑に扱っている所を見てしまうと、

裕太「おい。その衣装で、その場に座んなよ。」

なんて、思わず注意をしてしまう。

だからライブの衣装を考える時は、こだわり過ぎて睡眠時間が少なくなってしまう事も有る。

"遣るからには中途半端にしたくない。"

そう思っているけれど、仕事はライブだけじゃない。

今はお陰様でたくさん仕事を頂けて、その収録や撮影が入っている。

心の中で"少しオーバーワークかな"と思いながらも、今はガヤだって同じ状態だし、他のメンバーだって掛け持ちで仕事をしているんだから、俺の体調が少し位悪いからって、休ませて貰うわけにはいかないと思っていた。

だから家に有る薬や、マネージャーが買って来てくれる栄養剤で、騙し騙し仕事をこなしていた。

何時もなら家を何日間か空ける時は、母親が洗濯や掃除をしに家に来てくれている。

だけど今は、体調を崩しているばあちゃんの所に手伝いに行っているから、家に来ることが出来ない。

頼りのAは、グラビアの撮影で沖縄に行っている。

俺の事を心配してAが、電話で色々と聞いてくるけど、仕事で頑張っているAに、余計な心配させる訳にはいかず、

「俺は何時も通りだよ。
Aこそ大丈夫か？
スケジュールが、結構ハードなんだろ。」

A「私は大丈夫だよ。
裕くんより若いから体力あるし、お姉ちゃんも一緒だし。」

Aはそう言って、電話の向こうで笑っていた。

「杏里が一緒なら大丈夫だな。
あいつはしっかりしてるから、Aと違って。」

そう言って笑ってやると、

A「裕くんの意地悪。
どうせ私は頼りないですよ。」

そう言って、分かり易く拗ねている。

そんな所が可愛くて堪らない。