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幼馴染み 裕太ツアー編 8 ページ22

Aside


裕くんが眠った事を確認して、私は寝室を後にした。




もう一度探してみたけれど、解熱剤も風邪薬も無かった。




明日は休みだけれど、明後日からまたツアーが再開する。




明後日は一日のうちに移動にリハが有って、夕方にはライブ。




その翌日だって、ライブがある。




だからどうしても、明日中には最悪でも熱を下げておきたい。




勿論、体調が良くなる事が一番良いんだけど・・・。




ゆっくり休むめたら良いけれど、もしこれ以上熱が上がって目が覚めたら、きっと辛くて眠れなくなってしまいそう。




"裕くんが夜中に目を覚まして、眠れなかったらどうしょう"




自分が高校生の頃、高熱で夜中に目が覚めて眠れなくなった事が有った。




だけどお母さんを起こすことが申し訳なくて、一人で朝が来るのをベッドの中でじっと待っていた。




そんな時ほど時間が経つのが遅くて、目を覚ましたお母さんに薬を貰うまで、辛くて仕方無かった事を思い出した。




私は寝室に行き、裕くんが寝ている事を確認すると、着替えを済ませた。




そしてタクシーを呼んで、薬やドリンク類を買いに出掛けた。




必要な物を買って帰ると、真っ先に裕くんの寝室を覗いた。




裕くんの頭の下にある氷枕を触ると、もう役目を果たすことが出来そうに無かった。




冷凍庫なら氷枕を出すと、裕くんに声を掛けずに交換した。




けれど頭を動かしてしまった為か、裕くんは目を覚ましてしまった。




裕太「・・・A?」




「ごめんね、裕くん。起こしちゃったね。
気分はどう?」




声を掛けながら体温計を渡した。




裕太「うーん・・・汗かいて気持ち悪い。」




裕くんは、目を瞑ってそう答えた。




「身体を拭いて、着替えようか?」




体温計を受け取りながら答える。




「7.8℃・・・。
汗かいたから、少し下がったみたい。
裕くん、着替えを持ってくるね。」




裕くんに声を掛けて、着替えを用意する為に寝室を出た。




レンジを使っておしぼりを用意して、着替えを持って寝室に向かう。




「裕くん。
辛いだろうけど、身体起こしてきがえよう。」




裕太「・・・うん。」




裕くんの身体を支えて起こし、熱いタオルで身体を拭くと、素早く着替えさせた。




随分汗をかいていたので、ポカリを飲ませて横にさせた。




裕太「有り難う、A。」




裕くんは私を見詰め、そう言った。

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作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時

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